公文国際学園は、神奈川県横浜市戸塚に位置する、学校法人公文学園が母体の中高一貫校です。中等部では帰国生を対象とした入学枠があり、国内インターナショナルスクール在籍生も対象です。高等部での募集はありません。高等部は、東大をはじめとする国公立大学や医学部への進学者を輩出しています。では公文国際中等部をご紹介します。

公文国際学園中等部の学校情報

学校名公文国際学園中等部
住所神奈川県横浜市戸塚区小雀町777番地
TEL045-853-8200
HPhttps://kumon.ac.jp/k-gakuen/kokusai/index.php 
対象中学1年生〜高校3年生
カリキュラム週5日制業
学生数約500人

公文国際学園中等部 帰国生入試の受験情報

基本条件としては、一般的な中学受験と変わりません。適性検査の難易度は高く、PISA調査問題に基づいた内容になっています。英語は長文問題が中心となり、難易度は英検2級程度と言われていますが、実際には準1級合格レベルの英語力が必要です。面接では、海外生活での様子や将来の夢などが質問されます。

基本条件海外の教育機関に1年以上在籍の者。(国内インターナショナルスクールもこれに準ずる。)
入試選考①適性検査・英語 各50分/各100点
②面接(10分程度)
出願期間12月下旬〜翌年1月上旬
入試日時1月中旬

公文国際学園中等部 2020年度帰国生入試結果

男子女子合計
出願者数251742
受験者数231740
合格者数9817
倍率2.62.12.4

公文国際学園中等部のポイント

公文国際学園中等部
  1. 「学校」「寮」「公文式」を教育の三本柱
  2. 「自ら学び、考え、判断し、行動する」生徒を育てる
  3. 公文式の学習を取り入れた教育カリキュラム

敷地内にある男女寮、公文式の学習を取り入れている点がポイントですね。中1〜2、中3〜高1、高2〜3と、2学年ごとに校舎が分かれ、それぞれを基礎期、充実期、発展期を定義し成長に合わせた学びを深めていきます。

中等部は1コマ60分の授業を週26時間。週に1回の公文式放課後教室があります。英語はクラスを分割した少人数キャリア別の授業が実施されています。

公文国際学園ならではの「公文式学習」

公文国際学園の特徴は、何と言っても「公文式」の学習です。公文式は全国または世界で親しまれている、個人別の進度に合わせてスモールステップの教材で学んでいく学習法です。

公文式での学習は、朝学習時(毎日8:20~8:40)と放課後教室(週1回)で実施されます。放課後教室は部活動と両立するために、部活ごとに公文放課後教室の曜日が設定されています。

数学・英語・国語から1教科が必修です。これらの教材は無料で提供されます。教科は数学だけでなく、英語・国語の学習も可能です。中学3年生からはフランス語・ドイツ語の学習も始めることができます。

公文式の学習を通して、学年以上の学習へ取り組む生徒も多くいます!自分の興味のある学びを制限なく深めて行ける環境があることは、生徒たちにとっても自分で学び行動する力をつける大きな助けになりますね。

英語・数学のレベル別授業

数学と英語は、生徒の学力に応じた少人数・レベル別の授業を実施しています。個々の能力や関心、進路の希望などに応じて対応してくれます。

帰国生の英語の授業は、彼らの英語力を伸ばしていくために日本人教師と5人のネイティブ教師らで週5時間のクラスがあります。読む、聞く、書く、話すをバランスよく学ぶカリキュラムが整えられています。

国際理解DAY・英語能力検定試験

毎年3月に3日間に渡って行われる国際理解DAYでは、学年ごとに英語学習やグローバル学習の成果を発表します。

  1. 中1,2年:スピーチ発表
  2. 中3:日本文化体験の代表報告
  3. 高1,2:世界の諸問題に関する発表

また国際社会で活躍する人を招いての講演会など、生徒が国際的な関心や視点をもち学ぶ機会が用意されています!また、英語能力検定試験は全員が毎年受験します。英語力の高い中学生はGTEC for Studentsを受験します。

  1. 中1,2:TOEFL Primary
  2. 中3、高校生:GTEC for Students

海外語学研修/国際交流

夏休みには、オーストラリアやカナダへの語学研修があります。ホームステイをしながら、公立学校や語学学校で学び、色々なアクティビティを体験できます。毎年多くの生徒が参加し、英語漬けの生活を体験し多くの刺激を得て帰ってきます。

また学内では海外からの短期留学生を受け入れており、授業を一緒に受けたり、日本文化を体験したりする機会があります。海外からの長期留学生が寮に滞在することもあり、授業以外の時間も英語でコミュニケーションをとることが日常です。

LEE (Liberal arts Education in English)

高校2年生を対象に、英語で学ぶ総合学習のプログラムです。

シンガポール(南洋工科大学/国立教育院)、ニュージーランド(マッセイ大学)、大分(立命館アジア太平洋大学)の3つのコースがあり、各大学にて多様な文化や人々とのふれあいを通して、英語でリベラルアーツ教育を現地の大学生とともに学びます。従来の卒業旅行の枠に留まらず、総合学習の集大成として海外の大学で実際に学ぶ体験ができます。

模擬国連

公文国際には2つの模擬国連、公文国際学園模擬国連(MUNK)、英語版公文国際模擬国連(MUNKI)があり、それぞれ中学1年生〜高校3年生まで希望者は参加できます。調査方法やレポートの書き方などを学び、実際の模擬国連では他校の生徒らと議論を繰り広げます。

毎年2〜3回ほど世界各国で行われる模擬国連に参加しています。2002年から15年以上連続しての参加実績が蓄積されており、公文国際の生徒が世界の生徒たちの中で活躍する姿も多く見られるようです。

寮生活・食堂

公文国際の学校敷地内には男子寮・女子寮があります。日本全国または海外からの生徒や留学生も受け入れています。寮生活では4人部屋で、生活習慣と学習習慣の定着を目標に、生徒を寮スタッフがサポートします。

中学生は学校の教室などで集団学習、高校生は自室での学習をします。教員や寮専任教員、学校OB/OGの先輩の大学生などが学習をサポートしてくれます。

高校3年生は、大学入試に向けた講座を自由に選択し受けることもできます。大学生スタッフが夜間23:25~23:45まで個別にアドバイスをくれるなど、寮でありながらも周囲のスタッフが側で手助けしてくれる環境にあります。寮生ではない学生も、中学1年生時に4ヶ月間の寮生活を体験するプログラムがあります。

食堂では、寮生は3食、通学生はランチに利用できます。献立も豊富で朝食と夕食は和食か洋食の定食から、昼食は2種類の定食とカレーやヌードル系の3種類から選ぶことができます。焼きたてのパンやデザートも食べられる生徒に人気の食堂です。

アクセス

最寄りの大船駅から、公文国際まで直通バスが運行しています。大船駅西口・交通広場(バスターミナル)4番乗り場から神奈川中央交通「急行公文国際学園」行きのバスで8分程度です。

卒業生の進路は?

2018年度は東京大学へ3名、一橋大学、東京工業大学、北海道大学、横浜国立大学、筑波大学など他国公立大学へは36名が合格しています。早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学などの合格者も20名以上ずつと多く、また毎年医学部へ進学する生徒もいます。また近年は海外の大学への進学を選択する学生も数名います。

求められる英語力は?

帰国生入試の英語難易度は英検2級程度といわれていますが、安全に行くのであれば、準1級合格レベルの英語力が必要でしょう。長文読解が中心になるため、文章問題対策をしておくと良いでしょう。

帰国生入試の条件として「1年間の海外の教育を受けたこと、もしくは国内インターナショナルスクールに在籍していたこと」とあり、他校と比べると帰国生の範囲は広くなっていますね。入学後には全員が毎年英語能力検定試験を受験しますが、入試時点ではこれらのスコアを求められることはありません。

さいごに

公文国際学園中学部のポイント
  • 公文式学習で自主学習能力を高められる!
  • 自由な校風の共学校、中学生から学生寮生活もできる
  • 模擬国連や英語研修などインターナショナル学習が受けられる