帰国生として日本の大学の9月入学を目指す際、避けて通れないのがTOEFLやSATといった統一試験のスコアメイクです。特に早稲田・慶應・上智・ICUといった難関大学の国際系プログラムは、世界中から優秀な生徒が集まるため、非常に高いレベルのスコアが求められます。
「いつから対策を始めればいいのか」「具体的に何点必要なのか」という不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。9月入学の入試は、一般的な日本の4月入学入試とはスケジュールが大きく異なります。合格を勝ち取るためには、入試時期から逆算した緻密な計画が不可欠です。本記事では、ウェビナーでの知見をもとに、必要とされるスコアの目安と、効率的な学習の進め方について詳しく解説します。

TCK Workshop プレミアム講師。横浜国立大学教育人間科学部卒業、University of Otago(NZ)への交換留学を経て、東京大学大学院総合文化研究科に2年在籍。 小学校および中高英語の教員免許を持つ「教育のプロフェッショナル」。教育学に基づいた科学的なアプローチで、AP Japaneseや日英小論文、難関校受験対策まで、アカデミックな指導を専門とする。
この記事は、TCKworkshop主催のウェビナーを基に作成しています。TCKworkshop公式Youtubeチャンネルでは、指導経験豊富な講師が実際の指導を通して蓄積した帰国生の受験、英語学習などについての情報をお伝えしておりますので、ぜひご覧ください。
帰国大学受験9月入学の難易度と求められるスコアの目安

帰国生入試の9月入学枠、特に英語で学位を取得するプログラム(English-taught programs)では、世界標準の英語力が測定されます。多くの大学が指標としているのが、英語力の国際標準であるCEFR(セファール)です。
早慶や上智、ICUといった難関校を目指す場合、基本的にはC1からC2レベル、つまりプロフェッショナルとして英語を使いこなせるレベルが期待されていると考えて間違いありません。

海外生活が長い生徒さんでも、アカデミックな試験であるTOEFLやSATで高得点を取るには、日常会話とは別の試験対策としての学習が必要です。まずは現在の実力を正確に把握することから始めましょう。
TOEFL iBTとIELTSの目標点数
具体的なスコアに目を向けると、多くの難関大学ではTOEFL iBTで100点以上、IELTSであれば7.0から7.5以上が、合格圏に入るためのひとつの大きな目安となります。
もちろん、大学や学部によって最低基準は異なります。例えば上智大学の公表データなどを見ると、学部によってはTOEFL 70点台から出願可能なケースもありますが、9月入学の競争率を考えると、やはり100点前後を目指して準備を進めることが、併願校の選択肢を広げる意味でも重要です。100点というスコアは、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能すべてにおいて、25点前後を安定して取得する必要がある高い壁ですが、早期に対策を始めれば決して不可能ではありません。
SATのスコアと重要性
アメリカの大学進学適性試験であるSATも、多くの9月入学入試で提出が求められます。合格者の平均的なスコアは、1600点満点中1300点から1400点以上に集中しています。特に最難関レベルでは1400点、最難関校では1400点超えがスタンダードになりつつあります。
SATはReading & WritingとMath(数学)の2セクションで構成されていますが、帰国生にとって大きな得点源となるのがMathです。数学で満点に近いスコアを確保し、英語セクションの負担を軽減する戦略が、合計点を押し上げる鍵となります。
志望校合格を引き寄せるための逆算スケジュールの立て方

9月入学の入試を突破するために最も大切なのは、入試時期から逆算して、いつまでにどのスコアを揃えるかを決める長期的な視点です。直前になって慌てて対策を始めても、スコアが伸び悩んで出願に間に合わないというリスクがあるからです。

SATの点数を上げたいとご相談に来られる方の中には、実はまずTOEFLの基礎固めが必要なケースも多く見受けられます。段階を飛ばさず、着実にステップアップしていくことが、結果として最短ルートになります。
英語力の土台作りからTOEFL 100点超えへのステップ
いきなりTOEFLやSATの対策に飛び込むのではなく、まずは自分の現在の英語力に見合った教材からスタートしましょう。効率的なステップとしては、まず英検準1級レベルの語彙や文法を完璧にすることから始めるのが良いと言われています。
英検準1級に合格できる力がつけば、TOEFLの学習にスムーズに移行できます。TOEFLのスコアが60点、70点と伸びていく過程で、大学レベルのアカデミックな文章を理解する基礎体力が養われます。この基礎がない状態でSATの対策を始めても、文章の難解さに圧倒されてしまい、学習効率が大きく下がってしまう恐れがあります。まずはTOEFLで80点から90点程度を安定して取れる力をつけることを優先しましょう。
SAT対策への移行タイミングと数学の重要性
TOEFLである程度のスコアが確保できたら、いよいよSATの対策を本格化させます。理想を言えば、出願の半年前から1年前にはSATの学習を開始しておきたいところです。
ここで特に意識していただきたいのが、数学(Math)の対策です。日本の教育課程で育った生徒、あるいは海外の学校で数学をしっかり履修している生徒にとって、SATの数学は比較的対策がしやすい分野です。英語セクションでネイティブスピーカーと競うのは大変な努力が必要ですが、数学で800点満点に近い数字を叩き出すことができれば、トータルスコアで大きなアドバンテージを得られます。数学を甘く見ず、早い段階で演習を繰り返してケアレスミスをなくす習慣をつけましょう。
出願時期から逆算した高校3年間の具体的なタイムライン
9月入学の出願は、早い大学では前年の10月頃から始まり、多くの大学が1月から4月にかけて募集を行います。これを踏まえると、高校3年生(Grade 12)の秋までには、提出できる最高のスコアを揃えておく必要があります。
逆算すると、最も無理のない王道のスケジュールは:
高校1年生(Grade 10)から高校2年生(Grade 11)の時期は、とにかくTOEFLのスコアを積み上げることに集中
高校2年生の後半から高校3年生の夏にかけて、SATの受験を複数回行い、ベストスコアを目指す
また、IB(国際バカロレア)を履修している生徒の場合は、IBの最終試験や内部評価(IA)の負担が非常に重くなるため、さらに早い段階でTOEFLやSATのスコアを獲得しておくことが求められます。
志望理由書と活動実績の準備

9月入学の入試は、スコアだけでなく、書類選考の比重が非常に高いのも特徴です。TOEFLやSATのスコアメイクと並行して、自分が大学で何を学びたいのか、これまでの海外経験をどう活かしたいのかを言語化する作業が必要です。

エッセイ(志望理由書)は、自分自身のこれまでの経験を振り返る深い内省のプロセスです。納得のいく内容に仕上げるには、書き直しを含めて数ヶ月単位の時間が必要になることもあります。
志望理由書には、単なる活動の羅列ではなく、その活動を通じてどのような変化が自分の中に起きたのか、そしてそれがなぜその大学のその学部での学びに繋がるのか、という論理的な一貫性が求められます。また、大学によってはプレゼンテーションビデオの提出を求めるケースもあります。これらは直前に準備できるものではないため、スコアメイクに目処が立ち始める高校3年生の夏頃から、徐々に構想を練り始めるのが良いでしょう。
まとめ
9月入学の入試は、準備する内容が多く大変ではありますが、海外で培った経験と英語力を最大限に評価してもらえる絶好の機会でもあります。もし、今のスコアからどうやって100点を目指せばいいのか、自分に合った逆算スケジュールを一緒に立ててほしいといったお悩みがあれば、ぜひTCK Workshopにご相談ください。
プロの講師陣が、一人ひとりの現在の状況に合わせた最適なカリキュラムと個別指導で、志望校合格までを徹底的にサポートします。
まとめ
帰国大学受験の9月入学を目指す上で、まず取り組むべきポイントを整理しました。
・目標スコアの把握:早慶・上智・ICUレベルを目指すならTOEFL 100点以上、SAT 1450点以上を一つの目標にする
・学習の順序:英検準1級レベルからTOEFL 80〜90点台、そしてSATという、段階を踏んだステップアップを意識する
・数学の活用:SATでは得点源になりやすいMathセクションで満点近くを狙い、合計点を底上げする
・逆算の徹底:高校3年生の秋にはすべてのスコアが揃っている状態を目指し、高校1年生から計画的に動き出す



