海外への大学進学を考える際、豊かな歴史と高い教育水準を誇るイギリスは非常に魅力的な選択肢です。世界大学ランキングでも常に上位に名を連ねる名門校が多く、特定の専門分野を深く学びたいという学生にとって、理想的な環境が整っています。しかし、日本の教育制度とは大きく異なるため、「日本の高校から直接進学できるのか」「出願手続きはどのように進めるのか」など、具体的なステップが見えにくく不安を感じる保護者の方も少なくありません。

イギリスの大学進学においては、出願方法や求められる資格、試験の仕組みが日本やアメリカとは全く異なります。この記事では、日本の高校からイギリスの大学に進学する2つの主要ルート、一括出願システムであるUCASのタイムラインや使い方、そして合格を勝ち取るための重要な要件について分かりやすくお伝えします

松竹先生
学習相談員

講師:松竹 桃太郎

TCK Workshopプレミアム講師
。高校2年生2学期まで日本で育ち、その後はカナダのバンクーバーに6ヶ月間語学学校に通い、第二言語として英語を習得しました。
その後、アメリカのコミカレ(短期大学)で2年間勉強し、3年次にUCLAに転入してBusiness Economicsを専攻しました!
先生として日本の中学~大学受験の英語や数学の試験対策を帰国子女や国際生の生徒様へ行った経験や、自らの大学受験準備や語学資格の習得経験、海外での学習経験を活かして、
あなただけの目標達成に向けて、現状を踏まえた提案を丁寧に行わせていただきます。

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    日本の高校からイギリスの大学へ進学する2つのルート

    松竹先生

    イギリスの大学受験は、日本の個別入試とは異なり、これまでの学習の積み重ねや統一試験の成績がそのまま評価対象になります。制度の違いを正しく理解し、早い段階から戦略的な準備を進めていくことが成功への第一歩です。

    日本の一般的なカリキュラムを提供する高校を卒業した場合、実はそのままではイギリスの大学の入学資格として認められないケースがほとんどです。そのため、進学を果たすには大きく分けて2つのアプローチから選択することになります。

    ファウンデーションコース(大学留学生用の準備コース)を経由する 

    最も一般的であり、多くの日本人留学生が利用しているのがファウンデーションコースを修了するルートです。これは約1年間の留学準備コースのような位置づけで、イギリスの大学に不足している教育期間を補う役割を果たします。 

    イギリスの大学は原則として3年制であり、日本やアメリカの大学にある1年目の「一般教養課程」がありません。入学した初日から自分の選攻した専門分野だけを学びます。そのため、日本の高校卒業生はこの一般教養課程に相当するファウンデーションコースで、アカデミック英語や専門分野の基礎を1年間学び、その後の本科3年間に備える必要があります。 

    ただし、国際バカロレア機構の資料や各大学の入学規定を確認すると、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、インペリアル・カレッジ・ロンドンといった超トップ校や、高い専門性が求められる医学部などには、このコースを経由して進学することはできません。ファウンデーションコース経由で目指せる最難関の大学は、世界トップ10クラスの名門であるUCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)などになります。コースには大学直下のものと外部機関運営のものがあり、志望校が決まっている場合は大学直下のコースで規定の試験をパスすることが、本科進学への最も確実な道となります。

    A-levelやIB(国際バカロレア)などの国際資格を取得する 

    もう1つのルートは、イギリスの高校卒業資格であるA-level(Aレベル)や、世界共通の大学入学資格であるIB(国際バカロレア)をあらかじめ取得しておく方法です。これらはオックスフォードやケンブリッジを含む、イギリスのすべての大学および学部で正式な入学資格として認められています。 中学生や高校1年生など、早い段階から海外大学進学を見据えている場合は、これらのカリキュラムを導入している国内外のインターナショナルスクールや一条校(IB認定校)を選択することが近道となります。ケンブリッジ大学国際教育機構(Cambridge International)が提供するA-levelは、世界160カ国以上の学校で採用されており、世界的に最も普及している高校カリキュラムの一つです。 もし日本の高校を一度卒業した後にトップ校や医学部を目指したくなった場合は、イギリスの高校に2年間通い直してA-levelを履修する学生もいます。その場合は合計の就学期間が長くなりますが、イギリスの大学自体が3年制であるため、日本の大学を卒業する年齢と比べて1年程度の遅れにとどまり、大きなデメリットにはなりにくいと言えます。

    イギリス大学進学ルートの比較表

    項目ファウンデーションコース(準備コース)経由A-level / IB(国際資格)取得ルート
    主な対象者日本の通常の高校を卒業(または卒業見込み)した学生インターナショナルスクールやIB認定校に在籍する学生、または英高校へ留学した学生
    就学期間1年間(コース修了後に大学本科3年間へ進学、計4年)高校課程で2年間履修(大学本科は3年間、計5年 ※日本の高卒後の場合)
    目指せる大学・学部UCLなどの名門校を含む多くの大学(オクスブリッジや医学部は対象外)オックスフォード、ケンブリッジ、インペリアルを含むすべての大学・学部
    出願に必要な成績日本の高校の評定平均、および規定の英語資格スコア模擬試験や日々の実績から算出される予想成績(Predicted Grade)
    英語力の目安IELTS 5.5以上(大学やコースにより異なる)IELTS 7.0以上(難関校・難関学部の基準)
    最大のメリット日本の高校を卒業してから、1年間の準備期間を経てスムーズに留学できるイギリスのトップ校や医学部への挑戦権が最初から得られる

    イギリスのオンライン出願システムUCASの仕組みとタイムライン

    松竹先生

    UCASのシステムは非常に合理的ですが、締め切りを1日でも過ぎると審査の対象外になってしまいます。特に医学部やトップ校を目指すご家庭は、前年の夏までに書類を揃えるスケジュール感を徹底しましょう。

    イギリスの大学受験の最大の特徴は、大学ごとに個別の入試を受けるのではなく、UCAS(Universities and Colleges Admissions Service)という政府公認のオンラインポータルサイトを通じて、すべての大学へ一括して出願手続きを行う点にあります。

    UCASの基本機能と大学情報の調べ方

    UCASは、イギリス国内の学部(Undergraduate)や修士課程(Postgraduate)への申請を一本化しているシステムです。アカウントを作成し、自分が興味のある分野(例えば、医学、バイオメディカルサイエンス、化学など)を入力すると、それらのコースを開講している大学の一覧や、取得できる学位の種類、フルタイムかパートタイムかといった基本情報が網羅的に提示されます。 また、各大学のページには、過去の合格者が実際に取得していた成績のデータ(Entry Grades Data)なども細かく掲載されているため、自分の実力と照らし合わせながら志望校を絞り込むための強力なツールとして活用できます。

    出願のタイムラインと期限

    イギリスの大学の入学時期は秋(一般的に9月後半から10月)ですが、出願のポータルサイトは入学する前年の5月中旬頃にオープンします。そして、同年9月に出願の受付が本格的に開始されます。 ここで最も注意しなければならないのが、志望する大学や学部によって締め切りが大きく異なる点です。オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、およびすべての大学の医学部・歯学部・獣医学部といった難関コースは、前年の10月中旬(Early Deadline)に一斉に出願が締め切られます。それ以外の一般的な大学・学部の全体の締め切りは、例年1月末頃となっています。10月締め切りの難関校を目指す場合は、夏休み期間中にすべての出願書類を完成させておく必要があります。なお、オックスフォードとケンブリッジの2校に関しては、UCASの書類審査の後に大学個別の筆記試験や面接試験が課されるため、そのための個別対策も並行して進める必要があります。

    イギリス大学合格を掴むための3つの重要要件

    学業成績を最重視するアカデミックなイギリスの大学受験において、審査官に評価されるためには、具体的に以下の3つの要件をクリアする必要があります。

    入学要件(Entry Requirements)を満たす成績の積み重ね 

    各大学のコース紹介ページには、合格のために必要なA-levelやIBの最低成績が明記されています。例えば、インペリアル・カレッジ・ロンドンの医学部であれば、A-levelで「Aが3つ(化学と生物は必須)」、あるいはIBで「38ポイント以上」といった具体的な要求が出されます。実際の合格者の多くは最高評価である「A*」を複数取得して出願してくるため、ハイレベルな戦いになります。 ここで重要になるのが、出願の段階(入学の約1年前)では、まだ高校の最終本試験(統一試験)を受けていないという点です。そのため出願時は、学校の先生がそれまでの成績に基づいて算出する「予想成績(Predicted Grade)」や、高校1〜2年次に行われる模擬試験(Mock Exam)、あるいはGCSE/IGCSEといった前段階の全国統一試験の成績を提出します。つまり、一発勝負の入試ではなく、高校生活全体を通じた日々の学業の積み重ねが、そのまま合否の判断材料になるのです。

    志望動機書(Personal Statement)での差別化 

    トップ校の受験者は、誰もが満点に近い優れた成績を引っ提げて出願してきます。その中で入学審査官が合否を見極める最大のポイントとなるのが、UCASに提出する志望動機書(Personal Statement)です。 アメリカの大学受験では、リーダーシップや壮大な課外活動の実績、人間性などが多角的に評価される傾向にありますが、イギリスの大学は徹底して「アカデミック(学術的興味)」を重視します。そのため、志望動機書には「なぜこの分野を学びたいのか」「そのために自主的にどのような文献や本を読み、何を考察したか」「自分でテーマを決めてどのようなリサーチを行ったか」といった、学問に対する深い情熱と主体的な行動を論理的に記述することが求められます。起業や大企業でのインターンといった華やかな実績がなくとも、自身の学びたい分野に関連する本を読み、それを大学での研究にどう繋げたいかを明確に示せれば、十分に高い評価を得ることができます。

    高い英語力を証明するIELTSのスコア獲得 

    留学生がイギリスの大学へ直接進学する、あるいはファウンデーションコースに入るためには、英語4技能(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)を測定するIELTS(アイエルツ)のスコア提出が必須です。一般的な大学やファウンデーションコースであれば、総合スコア(Overall)で5.5以上が目安となりますが、オックスフォードやケンブリッジなどのトップ校になると、7.0以上の極めて高いスコアが要求されます。さらに、「すべてのセクションで7.0以上」や「特定のセクションは7.5以上」といった厳しい足切りラインが設けられていることも多いため、出題傾向をしっかりと分析し、早期から記述問題やスピーキングの対策に取り組む必要があります。

    まとめ

    日本の高校からイギリスの大学へ進学し、UCASの出願を成功させるための重要なポイントは以下の通りです。

    • 日本の通常の高校を卒業した場合は、1年間のファウンデーションコースを経由して進学するのが一般的ですが、トップ3校や医学部を目指す場合はA-levelやIBの資格が必須です。
    • 出願は一括ポータルサイトUCASを使用し、オックスフォード・ケンブリッジや医学部は前年10月中旬、その他の大学は1月末が例年の締め切りとなります。
    • イギリスの受験は一発勝負ではなく、日々の模擬試験や学校の成績から算出される予想成績(Predicted Grade)が合否に直結します。
    • 志望動機書(Personal Statement)は学術的な関心を最重視されるため、自主的な読書やリサーチの経験を論理的に書くことが重要です。
    • 留学生の英語力証明にはIELTSが広く使われており、トップ校の基準である7.0以上の獲得に向けて、戦略的な4技能対策が必要になります。

    イギリスの大学受験システムは、学部選びから必要な科目の選択、日々の成績維持にいたるまで、すべてにおいて早い段階からの「逆算型のプランニング」が必要不可欠です。

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    参照

    イギリスに大学留学する方法 & UCASについて徹底解説!! 日本の高校からも入れるファウンデーションコースとは? (Moi Education)

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