【帰国子女受験】攻玉社中学校 2010年英語過去問帰国生の苦手な英文法問題を解説します！②

帰国生が英語試験対策で苦労するポイント

帰国子女高校入試の英語試験に出題される問題の形式は様々です。

など、日本の高校受験生が当たり前のように普段から対策している内容でも、帰国生の生徒さんに取っては、現地校やインターナショナルスクールでの英語試験と異なり、戸惑ってしまう生徒さんも少なくありません。

とはいえ、帰国子女高校受験で求められる英語レベルそのものは、海外で学校生活を送られている生徒さんに取っては、決して高いとは感じないはずです。内容的に決して難しくないからこそ、問題形式にしっかりと順応して、本番試験では高得点を狙いにいく必要があります。

Reading comprehension、Essay、それぞれ対策の難しさがあり、これらは受験する学校の傾向に合わせて準備を重ねておくべきですが、その中でも帰国生の生徒さんは文法問題に苦労されているケースが多いです。

多量の英語を日常的に浴びることで、耳や口から習得してきた、いわゆる感覚的な英語は、細かなロジックを必要とする文法問題には弱いです。（私たちも日本語の細かな文法を説明しろ、と言われてもなか難しいことがあるのと同じですね。）

ただ受験の英語や日本の高校のカリキュラムひいては日本の大学受験では、英語学習における英文法の割合が高く、高校受験でも出題配点は高くなります。

今回はその中でも、帰国生の生徒さんが最も苦労するタイプの文法問題、誤文訂正問題に焦点を当てて、攻玉社中学校で2010年に出題された問題を解説していきます。

The tamarin, a small monkey, is ideal for studying primate behavior because it breeds frequently and grows quick.

さてどこが間違っているかわかるでしょうか？

ぜひ一度手をとめて考えてみてください。制限時間は1分です。

受験英語では、「誤文訂正問題」と言われるジャンルの問題になりますが、このタイプの問題を正確に解答するには、文法・語法の正確な知識が必要です。

まずは、

必要があります。

誤文訂正問題は、すぐにコツをつかむ生徒さんもいる一方で、最後の最後までポイントに気づけない生徒さんも多く、得意不得意が明確に別れる分野ですので、受験を検討している学校で出題がある場合は早め早めに対策することが得策です。

今回の問題で注目するべきは、副詞の用法です。

副詞は、動詞や形容詞、副詞、文全体を修飾する働きを持っています。文中に置かれる際に、その位置がバラバラであったり、また働きについても

を表したりと様々なので、しっかり学んで行く必要があります。

今回の問題を解くうえで大切なのが、「様態(動作がどのようであるのか)」を表す副詞です。

文中での位置は、動詞が自動詞の場合にはその直後に、また動詞が他動詞の場合には、目的語の直後に置くことが多いです。

さて、問題文にもどって考えてみましょう。

becauseの後に、形式上の主語itがあり、その後に、2つの動詞、breedsとgrowsが続いていることが分かります。

breedsは「産む」を意味する自動詞であり、直後に「頻繁に」を意味する副詞frequentlyが置かれています。

その一方で、growsの後には何が置かれているでしょうか？

形容詞のquickが置かれていますが、これが誤りだと気づくはずです。「成長する」を意味する動詞growsに続くのは、この語を修飾する副詞”quickly”「素早く」ですね。

よって、正解は

となります。

いかがだったでしょうか？

前述した通り、誤文訂正問題は得意不得意のわかれる、つまり英語の得意な生徒さん同士の戦いでもある帰国子女入試において点数の差がつきやすい単元ともいえます。

文法や語法の知識は一度身につけてしまえば、読解問題やEssayでも利用でき、結果的に英語力の全体的な向上につながります。

どれかに当てはまる人は、ぜひ文法をしっかりと学んで、誤文訂正問題を得意にしてください。