はじめに

洗足学園中学校の算数対策、どのようにすれば良いかお悩みではないですか?

洗足学園中学校の2016年の算数の問題は構成はこのようになっています。

大問1大問2大問3大問4大問5
計算問題 3問小問集合 8問売買算/
つるかめ算
小問3題
速さ 小問2題容積/
表の読み取り
小問3題

洗足学園中学校の算数の構成は直近では大きな変化はなく、今後も大きく変化することはないと考えられます。大問1と大問2の計算問題、小問集合で55点分の配点があるので、まずはここを完璧に得点しきれるように、受験算数の基礎学習をしていきましょう。

それでは、今回は2016年の過去問の中から、食塩水の問題を見ていきましょう。

帰国生入試 2016年 算数問題一部解説

勝負の鍵は第2問小問集合の攻略!

洗足学園では、第2問で8題の小問集合が出題されます。例えば2016年の第2問は

  1. 線分図と比の利用
  2. 仕事算
  3. 濃度算
  4. 面積(折り返し)
  5. 容積
  6. 差集め算
  7. 比の利用
  8. 速さと比

上記のようになっていました。

それぞれ問題パターンの名称をみて、どんなタイプの問題がパッと想像できるでしょうか?中学入試の算数はこうした問題パターンの整理から始めるのが得策です。

問題パターンの整理ができるようになると、自分の得意不得意が明確になってくるので、そのあとは自分の苦手な部分に絞って対策をして、苦手分野を減らしていくことで、算数の得点力は改善していくのです。

特に洗足学園の問題では比を利用する問題が多いのが、見て取れると思います。比が苦手だ、、という場合はきちんと対策しておくことが必要ですね。

濃度は問題パターンの前に…

今回は食塩水と水を混ぜるパターンの問題ですが、こういった文章題を解く前に、多くの生徒さんがつまづいているのは「濃度とは何か」ということですね。

濃度とは何かということをきちんと理解するには「割合」の理解が必要になり、実際「割合」の理解からさかのぼって、お勉強しなおす生徒さんも少なくないです。

そうして割合を正確に理解して、濃度とは何を表すかを理解すると、次の濃度の基本公式もさっと理解できるはずです。

  • 濃度(%)=食塩の重さ÷食塩水の重さ×100
  • 食塩の重さ=食塩水の重さ×濃度(%)÷100
  • 食塩水の重さ=食塩の重さ÷濃度(%)×100

どの値が主体になっているかが異なるだけで、全て同じ式ですね。これらの公式をいちいち思い出せなくても、さっと式を立てられるようになるまで、なんども繰り返し練習することが重要です。

速さや濃度の基本公式は覚えていることが重要なのではなく、あくまでそれはスタート地点であって、「公式を思い出さなくても使いこなせている」状態まで持っていかなければいけません。

濃度を解決する便利ツール

今回は「食塩水+食塩水」のパターンでしたが、「食塩水+水」や「食塩水+食塩」など他にもいくつかパターンがあります。

これらのパターンについては、今回の動画であつかった「てんびん」というツールでも解決しますし、最近の参考書では「面積図」で解決してあるものもよく見かけます。

いずれでも構いません。どのツールを使うのかではなく、そのツールを使いこなすことが大事です。私はよく「紙を切りたい時にハサミを使う人も、カッターを使う人もいて、どっちも正解だよね」とお伝えします。ツールはどちらでも構わないので、正確に使いこなせるようになってください。たくさんのツールを使いこなせているようになっていることが重要です。

ツールの限界を知ること

ただ、ツールも常に万能というわけにはいきません。例えば今回紹介した「てんびん」も「面積図」も万能ではありません。

蒸発のからむ濃度の問題には実はこれらのツールは弱いのです。

このようにツールには限界があります。そうした限界をしり、どのように対応するかも大切ですね。

中学受験算数のツールは奥が深いです。大人が見ても、なるほど!と思うようなものも少なくありません。こうしたツール学習は、中学生以降、方程式にとってかわられるわけですが、ここで学んだことは決して無駄にはなりませんし、意外と中学受験を通して学ぶツールは効率的で、時間短縮につながったりするので、後々まで重宝します。 いずれにしてもツール学習においては

  • ツールの使うタイミングを正確に把握すること
  • ツールの使い方を正確に理解すること
  • ツールの限界を知っておくこと

この3つを意識して、学習を続けてみてください。