はじめに

一橋大学を帰国子女受験したいと思っている皆様!

一橋大学、いいですよね。あの福山雅治が湯川学として日々を過ごしたキャンパス…というだけでなく、小人数だからこそ実現できる様々なメリットもたくさん!

学部間の垣根が低く、他の学部の授業も受けられたり、何と言ってもゼミナール制度がとても良いです!とても手厚い!

実は、かくいうわたしこそ、一橋大学を帰国子女枠にて受験し入学した猛者でもあります。

今回はそんなわたしが実際に経験したことを元に、皆様に「これだけは押さえとけ!」というポイントをお伝えします!

一橋大学の帰国子女受験は筆記試験と面接の二部構成

一橋大学の帰国子女受験は以下のような二部構成となっています。

一次試験筆記試験(英語と小論文)
二次試験面接試験

一次試験に合格した人が、二次試験の受験資格を持ちます。

そう、まずは一次試験に合格しないといけません!英語、小論文それぞれの必勝法を見ていきましょう。

英語対策:英語は正確さで勝負!

一橋大学の英語試験の特徴として、「熟考型」ということが挙げられます。

よく、東京大学の英語試験と比較されるのですが、東京大学の英語試験を制するポイントは「スピード」、一橋大学は「正確さ」だと言われています。

問題数も、東京大学の方が多いです。

それぞれの特色がよく表れていますね!

その特徴から考えて、一橋大学の英語試験を制するためには、和訳など記述式の問題で点を稼げるように対策しておくと良いです。

意訳も用いて自然な和訳が作れるように、日本語力も必要になってきます。

また、過去の問題を振り返ると、毎年英語での記述問題もありますが、こちらも「正確さ」が一番重要なポイントです。

難しい単語や難しい言い回しをいくつ使うかということより、文法が正確か、表現が明瞭か、「型」をしっかり覚えて臨みましょう。

とは言え、自然な和訳かぁ…と、あまりしっくり来ないでしょうか?

わたしの塾の同期も、英語の方が強い子は当時とても困っていました。

こればかりはもう「触れる」のが一番!日本語をたくさん読み、書くに越したことはありません。

そう考えると、実は後述する小論文試験の対策をしっかり行うことが、英語試験への対策にもなります!

ぜひ続きをお読みください。

小論文対策:具体例が鍵!目指せ問題提起まで!

小論文の必勝ポイントは大きく分けて2つあります。

  1. 結論で終わらず、その先の問題提起まで辿り着きましょう。
  2. いくつかの具体例を深く掘り下げ理解しておきましょう。

少々複雑な話になりますので、上記ポイントを説明した後、実際にわたしが記述した内容を例に解説しています。

参考になれば幸いです!

結論で終わらない!

ここ数年の過去の問題を見てみると、一番大きい最後の問題は

  • 「あなたの考えをまとめなさい/述べなさい。」
  • 「原因と解決策を検討しなさい。」

と問われています。

「検討しなさい。」も、「あなたの考えをまとめなさい。」とほぼ同義ですね。

要は、「この題材を読んであなたは何かを受け取り、考え、答えが出せるのか」が問われています。

つまり、「わたしの考えはこうです。」に行きつけばOKです。

しかしこれは試験、まわりに敵がわんさかいます!

そんな中でも一歩先を行きたい…そのために、自分の結論に自分でケチをつけちゃいましょう!

いくつかの具体例を武器として持っておく!

わたしたちが生きる世界では日々様々な問題が起こっています。

かと思えば、思いもよらない画期的な活動がどこかで行われていたり。

小論文の試験で問われる内容も、そういった「問題や解決」についてです。

「この文章を読んで、あのことを思い出した。あれはああやって解決していたけど、こういった問題が残っていたな…」

というように、日々世界で起きている出来事は応用がききます。

ここでわたしから言えることはただひとつ。

  • 「印象に残ったニュースは背景まで深掘りしてとことん理解を深めておくこと」

印象に残るのは、それだけ自分の「考え」に影響を与えたからであって、戦力になるレベルに記憶に定着しやすいです。

加えて、「なぜそれが起きたのか」を知っておくことはとても強力な武器になります。

また、「ニュース」は出来事を知るとっかかりとしては良いですが、その出来事について書かれた「記事」を読むと、ひとつの考えの「型」ができて尚良いと思います。

実際に見てみましょう

具体例を持って、自分の結論にケチをつける…

そう言われても、よく分からないですよね。

そこで、実際に一橋大学で小論文の試験を受けたわたしの例を説明します。

わたしが受験した年、小論文試験の題材はアダム・スミスの「国富論」でした。

「国富論」をわたし個人の見解で最大限に端折って説明させていただくと、「金が一番だ。安く働かせて高く売ってとにかく金に換える」という重商主義に対して、「国民に自由を与え、競争させた方が国は潤うぞ!」と異を唱えたものです。(正しく理解されている方がひっくり変えるほど端折っています。)

その題材を用いて、「これについて君たちどう思う?」という試験問題でした。

ここ数年と同じですね。

わたしの回答としては、下記の通りのことを記述しました。具体例

  • スウェーデンにある「サムハル」という国営企業は、従業員2万人超えのうち、9割が障がい者である。
  • 補助金を除いて年間1000億円の売り上げがあり、営業利益は7%、同一労働同一賃金のため、健常者と給与も変わらない。

結論

  • 社会的弱者と言われる障がい者でも、「労働の自由」を実現することにより利益を生み出し続けている。

国富論、的を射ているぞ! 問題提起

  • ちなみにスウェーデンの投票率は80~90%。サムハルの存続は国民の意思でもあり、国家と国民の間の関係から実現可能となっている。
  • 一方、日本の投票率は平均50%程度、20代においては30%台である。
  • スウェーデンほどの、国家と国民間の強い関係性を持つ国は、世界にどれほどあるだろうか?

以上がわたしの実際の回答内容です。少し想像つきましたか?

ちなみに一橋大学のHPにあがっている過去問を見た限り、最近のトレンドは「分断」のように見えます。

時代が変われば出題傾向も変わるので、その視点で記事を読むのも良いですね。

面接対策:面接は「会話」です!

一次試験に通ったらいよいよ面接です!緊張しますね!

試験といえども、面接は人と人との直接のやりとり。

一番大事なことは、「会話をすること」、これに尽きます!

よく、想定される質問に対して回答をガチガチに用意したものの、暗記したロボットのようになってしまい、応用がきかなかった…という失敗談を耳にしますね。

相手もロボットではないので、ひとつの質問から、相手が感じたことを起点に話の深掘りが始まったりします。

それで結果的に、自分の思考が深く及んでいなかったことに気づいたりするかもしれません。

でも、それでいいんです。相手は教授ですよ?そうなってもおかしくありません。

むしろ、「分からないこと」や「気づき」を真摯に受け止め、次につなげる姿勢を見せられた方が、好感が持てるでしょうね。

基本的なことにはなりますが、

  1. 志望動機(なぜ一橋大学なのか?なぜ志望学部なのか?何がやりたいのか?)はしっかり固める
  2. 一次試験の小論文で書いた内容について、より詳細に話せるようにしておく。
  3. 第三者に面接官役をしてもらい、「会話」の練習をする。

ということだけは外さないようにできると良いですね!

2については、小論文対策の具体例の用意はここでも活きてきます!自分の印象に残ったものなら、その分メッセージ性も強く出せると思います。

3については、出てきそうな質問を洗い出し、回答を用意する機会にもなりますね。

筆者の体験談

先にお伝えしておくと、正直わたしは面接を受けて「落ちた」とはっきり思いました。

理由は以下の2つです。

  1. 志望動機が弱いと言われた。
  2. 小論文で書いた内容を話したすぎて、論点をずらそうとしすぎた。(しかも見透かされた。)

わたしは、「法学部でやりたいことは何ですか?」と聞かれて、「法律の勉強をしながらいろんな学部の授業が取りたい」と答えました。

一橋大学の特徴の「学部間の垣根が低い」を全面に押し出し、「ここしかないんや!」と目をキラッキラさせて伝えたつもりだったのですが、ご覧の通り、全く会話になっていないですね。

教授もだいぶ困っていました。「ん?法学部…」ってなっていました。時、戻したい。

上記が最初の質問だったので、もう出鼻をくじかれまくったわたしは何としてでも小論文の内容を話さなければならないと右往左往し、最終的に教授から「君は…小論文で書いた内容の話をしたいんだよね?」と優しく誘導され、元気よく「ハイ!!!!!」と返事をし、そのまま記憶をなくし、帰宅後に号泣しました。

ネット上で確認した合否発表で自分の受験番号を見つけたときは母の方が先に叫んでいました。

わたしは現地に足を運んで掲示板で確認したときにやっと実感が湧きましたね。

ちなみに、面接試験中に若干圧迫されて号泣してしまい、「絶対落ちた」とサイゼリアでさらに大号泣していた塾の同期も受かっていました。

ね、本当に面接の対策なんて、分からなくなりませんか?

やらなくていいって言っているわけではありません。

ただ、ガッチガチにはならない方がいい。ただでさえ緊張するのに。わたしはそう思います。

ただ、油断ならないのが、もしかしたらわたしは一次試験の出来がとても良かったのかもしれません。

総合的に見て「まあ、よかろう」と情けをかけられたポジションかもしれません。 (それほど、当時の自分の一次試験の出来は良かったと感じています。)

皆様、まずは一次試験の質を極限まで高めましょう。

まとめ

ここまで読んでいただいた皆様、ありがとうございました。

少しでも、一橋大学の帰国子女受験についてイメージするお手伝いができていれば光栄です。

読んでいただいてなんとなくお分かりいただけたかもしれませんが、一橋大学はとにかく「じっくり」という雰囲気があります。

全てを80%で卒なくこなすというよりは、ひとつに120%を費やす。

とは言え試験ですから、制限時間はどうしてもあります。

制限時間内に高品質を求めると聞くと、やっぱり難易度は高いと言わざるを得ません!