帰国子女生が日本の大学を受験する際には、自身の英語技能を証明するために英語試験のスコアを大学側に出さなくてはいけません。

現在、その英語試験としてTOEFL iBTが選ばれることが多いですが、最近ではIELTS(アイエルツ)が選択肢の一つとして選ばれることも多くなってきました。

しかし、TOEFL®に比べてまだまだ知名度が低いIELTS

  • IELTSはTOEFLとどう違うのか?
  • TOEFLよりもIELTSを受けた方が高スコアをとれる人の傾向とは?

TOEFLを受験するしかない…」と思っていた人はぜひIELTSのこともリサーチし、向いているようであればIELTS受験も選択肢に入れて、夢の志望校に向けて効率的にハイスコアを目指していきましょう!

IELTSとTOEFLの違い①:使える国や大学が違う

帰国子女受験や留学のために受験することの多いTOEFLIELTS

どちらも国際的に認められている英語試験ですが、国や大学によっては片方しか認めていない場合があるので注意しましょう。

そのため、TOEFLIELTSを受ける前に、必ず自分が行きたい大学が両方の試験を認めているか、あるいは片方しか認めていないか、を必ず調べるようにしましょう。

帰国子女枠受験

日本の大学の帰国子女枠受験では、一般的に英語力を証明する試験としてTOEFLを採用している大学が多いですが、最近はIELTSを提出できる大学も増えてきています。

京都大学上智大学などはTOEFLのみ東京大学早稲大学慶應義塾大学などはTOEFLとIELTSの両方が認められています。

なお、年度や学部によって変わることもあるため、必ず自分が受ける大学・学部の最新年度の要項を確認しましょう

海外大学受験

TOEFLアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなど、日本人が留学先として選ぶメジャーな国のほとんどの大学で認められています。

一方、IELTSアメリカの一部大学では使えない可能性があります。

IELTSとTOEFLの違い②:テスト形式が違う

どちらも同じ「アカデミックな英語能力のテスト」という点は同じですが、試験時間、形式、試験内容に違いがみられます。IELTSTOEFL®のどちらを受験するにしても、まずはそれぞれの違いを知っておいて損はありません。

ちなみに、IELTSにはアカデミックモジュールジェネラルモジュールの2種類が用意されています。大学受験用のアカデミックモジュールと、ビザ取得などを目的とするジェネラルモジュールで試験の問題内容が異なります。

ではそれぞれの違いをシンプルに以下の表にまとめてみました!

項目IELTSTOEFL
テスト形式紙と鉛筆でのテスト形式
テストセンター形式
テストセンター形式
在宅テスト形式
テスト種類アカデミックモジュール(主に受験用)
ジェネラルモジュール(主にビザ取得)
アカデミックテストのみ
試験時間2時間45分約4時間
料金25,380円(税込)$235
リーディング1パッセージ約900語
問題数 3パッセージ
文章読解+図や表の統合問題
1パッセージ約600語
問題数3〜5パッセージ
文章のみ
リスニングイギリス英語中心アメリカ英語中心
ライティング2題
・図やチャート、グラフを客観的に説明するレポート
・課題に対して自分の考えを理論的に説明
2題
・講義(listening)、記事(reading)の内容をまとめるレポート
・課題に対して自分の考えを理論的に説明
スピーキング面接官との対面形式コンピューターへの吹き込み形式
得点・評価4技能の平均点がスコアバンドとして出される(1.0 – 9.0)各セクションで30点満点
⇒4技能合計120点満点

Reading(リーディング)について

TOEFLのリーディングは1パッセージあたり約600語ですが、IELTSのリーディングは1パッセージあたり約900語です。1題当たりの語数が多いため、IELTSの方が「正確、スピーディーに読む力」が求められます。

問題数に関しては少し注意がいります。IELTSの問題数は3パッセージで固定ですが、TOEFLのリーディングは問題数が3~5パッセージで、当日のテストを受けるまでわかりません。

また、TOEFLにはダミー問題という採点されない(スコアに影響しない)問題が存在します。しかし、どれがダミー問題かはわからず、判別することも難しいので、全て真剣に解くことをおすすめします。

Listening(リスニング)について

グローバル化の流れを受け、IELTSTOEFL様々な国のアクセントのリスニング問題があります。ただし、IELTSイギリス英語中心TOEFLアメリカ英語中心という傾向はあります。

そのため、アメリカ英語の発音やアクセントだけに慣れていると、IELTSのイギリス英語は聞き取りづらく感じるかもしれません。

また、問題の出題内容に関しても大きな違いがあります。

TOEFLでは、「3~6分ほどの長い講義や会話を聞いたあとで内容を問う」質問がされます。

リスニング自体が長いうえにテーマの専門性が高いため、聞いた内容を記憶しておく力も高めなければ点数を伸ばすことは難しいでしょう。

一方で、IELTSのリスニングは「英語の放送を聞きながら、図や文章の一部を穴埋めしていく形式」の問題が多く出題されます。音源が放送されるまえに、あらかじめ問題文や図などを確認する時間が設けられているため、「どういう問題なのか分からない状態で聞く」という状況はIELTSテストではほぼないでしょう。

そのため、「長い英語を聞いて内容を覚えておくのが苦手…」という人はTOEFLよりもIELTSの方が高得点をゲットできる可能性が高いです。

なお、TOEFLテストのリスニングはヘッドセットをつけての聴解になりますが、従来のペーパーベースのIELTSだと大部屋でリスニング音源再生となるため、音が小さかったり、ノイズが入って聞こえづらかったりする場合があります。

Writing(ライティング)について

IELTSTOEFLのどちらも問題数は2題です。1題は必ず「一つのトピックに対して、自分の意見を理論的に伝える小論文」形式の問題で、IELTS、TOEFLのどちらでも出されます。

上記のライティング課題に加えて、IELTSでは「図や表を読み取り、内容を理論的にまとめて説明するレポート形式」のライティング。TOEFLでは、「記事を読んだうえで講義を聞き、2つの情報をまとめてレポート形式で説明する形式」のライティング問題が課されます。

TOEFL講義のリスニングは一度しか流されないため、重要な部分を聞き逃したり、聞き取ったけれども内容を忘れてしまうと、ライティングセクションの点数はガクッと落ちてしまいます。

どんな人が「IELTS」に向いているのか?

基本的にはペーパーベースの試験なので、「紙で読み書きする方が得意」であればIELTSの方がしっくりくる可能性があります。特に、TOEFLではライティングで高得点を取るためにはタイピング技術も必要になります。そもそもキーボードを打つ速さが足りなければ300語を書ききることも難しいでしょう。

既にパソコンを使って仕事をしている社会人や、レポートや研究のためパソコンを使っている大学生であればまだしも、小学生~高校生ではまだタッチタイピングができないケースも多いのではないでしょうか。

そのような場合は、無理してTOEFLでハイスコアをねらうよりかはIELTSの方が良いスコアを取得できる可能性があります。せっかくライティングのアイデアは良いのに、「単語数が足りないから」という理由でスコアが下がるのは悲しいですよね。

スピーキングにおいても、「実際に面接官と話すほうが得意!」という人はTOEFLよりもIELTSで点数が伸ばせる可能性があります。

どんな人が「TOEFL」に向いているのか?

IELTSでは4技能セクション全ての平均が最終的なスコアとして出ます。

そのため、「リーディングは得意だけどスピーキングは…」「リスニングとスピーキングは得意だけどライティングは苦手…」というように、得意不得意な英語技能がある人はIELTSで点数を伸ばしにくい傾向があります。