はじめに

「個別指導」と「集団塾」、どちらが自分の子に合うのか。
これは多くの保護者が最初に悩むポイントです。特に帰国子女の場合、英語力に自信がある一方で、科目間のバランスや勉強ペースに個人差が大きいため、「どちらが合っているのか」がより重要になります。
この記事では、実際の個別指導の現場で多くの生徒を指導してきた経験をもとに、「個別指導の強み」と「向き・不向き」をわかりやすく解説します。最後には、導入を検討している家庭がすぐに使える「判断チェックリスト」と「スタートのステップ」も紹介します。
個別指導の本質は「ピンポイントで課題を解決できる」こと

個別指導の最大のメリットは、「今必要なことに集中できる」という点です。集団塾ではどうしてもクラス全体の進度に合わせて授業が進むため、既に理解している単元に時間を取られたり、逆に苦手な単元が早く過ぎてしまったりすることがあります。
その点、個別指導は完全に「生徒中心」。苦手な部分をピンポイントで補強できるため、効率的に学習が進みます。特に帰国子女の場合、「リスニングは得意だけれどライティングが苦手」「英語は強いけれど国語や算数の基礎が抜けている」など、課題が一人ひとり異なります。
そうした“部分的な弱点”を狙い撃ちで克服できるのが、個別指導の最大の強みです。
また、周りの目を気にせず質問できる点も大きな利点です。学校や集団塾では「質問していいのかな」「他の子が見ているし…」と感じて、なかなか手を挙げられない子が多いものです。個別指導なら、講師がその場で疑問を引き出してくれるため、「本当はわかっていなかった部分」を早い段階で発見し、修正できます。
教育心理学の研究でも、1対1の学習は集団授業よりも学習効果が高いと報告されています。
米国の教育学者ベンジャミン・ブルームは、個別指導を受けた生徒の成績が通常の集団授業よりも平均して「2標準偏差(=上位2%水準)」高くなると指摘しました。
近年でも、個別型チュータリングは複数の研究で一貫して高い成果を示しており、特に「短期間・高頻度」で行う場合に効果が大きくなることが分かっています。
集団塾と個別指導の違いをわかりやすく整理
では、実際に両者の特徴を比べてみましょう。
到達までのプロセス
集団塾では、決められたカリキュラムに沿って学年全体で進みます。基礎を網羅したい時期や、幅広い知識を積み上げる段階では非常に効果的です。
一方、個別指導は「ゴールから逆算して、今やるべきことを絞る」点に特徴があります。たとえば、英検準1級のライティング対策、SAT Readingの読解強化、IBのInternal Assessment指導など、特定の目標に直結する内容に集中できます。
質問とフィードバックの量
集団授業でも質問は可能ですが、時間配分や周囲の目を気にして発言できない生徒も多くいます。
個別指導なら、理解度に合わせて即座に質問・回答・再練習を繰り返せるため、誤解を残さずに進めます。教育効果を高める上で、「質の高いフィードバックの頻度」が最も重要な要素であることは、多くの研究で裏付けられています。
コストと柔軟性
個別指導は集団に比べて1回あたりの費用が高くなりやすいですが、必要な範囲を短期間で集中して行えば、結果的に総コストを抑えることができます。特に帰国子女のように「受験まで残り数ヶ月」「苦手をすぐに立て直したい」という場合には、個別指導が時間対効果の面でも優れています。
個別指導に向いている子・向かない子
すべての生徒に個別指導が最適とは限りません。ここでは、それぞれのタイプを整理してみましょう。
個別指導が向いているタイプ
・苦手科目や弱点がはっきりしている
・質問が苦手で、集団の中では発言しにくい
・目標が明確で、短期間で成果を出したい
・得意科目と苦手科目の差が大きい
個別指導が向きにくいタイプ
・一対一の環境に緊張してしまい、集中が続かない
・まだ基礎を広く学ぶ段階で、全体像の理解が必要
・自習習慣が弱く、サポートがないと手が止まりやすい
このように、性格や学習段階によって最適な形は異なります。
「集団→個別」または「個別→集団」と、段階的に切り替えていくのも一つの方法です。
切り替えのタイミングをどう見極めるか

「集団で物足りなさを感じたら、個別に切り替える」
これは多くの教育現場で共通する実感です。授業のスピードが合わない、特定の科目だけ成績が伸びない、質問できないままモヤモヤが残る——そんなときが切り替えのサインです。
一方、まだ学習習慣を作っている段階では、集団でペースを掴んでから個別を導入するのが良い場合もあります。重要なのは、「今の目的」に合わせて柔軟に選ぶことです。
ハイブリッド運用で費用対効果を最大化
個別と集団は、どちらか一方だけにこだわる必要はありません。
たとえば、基礎固めは集団授業で行い、苦手補強は個別で行う。あるいは、受験直前だけ個別で最終調整するなど、両者を組み合わせる「ハイブリッド運用」が現実的です。
最近の教育研究でも、こうした「必要な時期に個別を集中導入する」方式が、最も費用対効果が高いとされています。
個別指導を始める前にやっておくべき3ステップ
- 今の課題を3つ以内に絞り、言葉で説明できるようにする。
- 志望校・試験日・必要スコアを整理し、優先順位を決める。
- 体験授業を受けて、「質問のしやすさ」と「課題の絞り方」を確認する。
この3つを行うだけで、個別指導が本当に合っているか、効果的に導入できるかが見えてきます。
よくある疑問

個別は高いのでは?
A. 実は短期集中で課題を解決できれば、結果的に学習総量や受験のリスクを下げられるため、費用対効果は高くなります。

子どもが一対一を緊張すると言う…
A. 講師が演習中心で進めたり、双方向の対話を短い時間に区切ったりすることで、安心して受講できる環境を整えられます。
TCK Workshopの個別サポート

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まずは無料教育相談や体験授業で、実際の指導方針を体感してみてください。
まとめ
・個別指導は「課題をピンポイントで解決できる」即効性がある。
・週2〜3回の高密度サイクルで進めると効果が最大化する。
・向き不向きは「質問しやすさ」「目的の明確さ」「集中のしやすさ」で判断する。
・個別と集団のハイブリッド運用が、最も費用対効果が高い。
・TCK Workshopでは、帰国子女特化の個別指導をオンラインで提供。まずは無料相談で最適なプランを確認しよう。
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