これから入試が予定されている渋谷教育学園幕張中学校・高等学校(渋幕)、広尾学園、同志社国際といった帰国生に人気の難関校では、学力試験に加えて面接試験が非常に重視されます。これらの学校を目指す受験生にとって、直前期の大きな悩みとなるのが面接対策ではないでしょうか。
英語力や基礎学力は数値で測れますが、面接には明確な正解が見えにくいため、どのように準備すれば評価されるのか不安に感じるのは自然なことです。帰国生入試の面接は、一般的な日本の中学・高校入試とは異なり、生徒一人ひとりのバックストーリーや海外での経験が深く問われる場となります。
本記事では、これまで数多くの帰国生を志望校合格へと導いてきたTCK Workshopのプロ講師が、実際のウェビナーで実演した内容をもとに、面接でのNG回答とOK回答の決定的な違いを解説します。直前期の最終確認として、ぜひ親子で活用してください。

講師:鈴木 優里
TCK Workshop プロ講師。立教大学文学部卒業、愛知大学大学院中国研究科修了。幼少期から計6年間を中国とインドで過ごした帰国子女。自身の海外経験とアイデンティティに寄り添う指導を信条とし、英検対策から中高受験、小論文、志望理由書の添削まで幅広く担当する。日中二ヶ国語を操る言語能力と、大学院での研究経験に裏打ちされた深い洞察力を活かし、海外経験という「個人の財産」を強みに変える温かくも緻密な受験サポートを専門とする。
この記事は、TCKworkshop主催のウェビナーを基に作成しています。TCKworkshop公式Youtubeチャンネルでは、指導経験豊富な講師が実際の指導を通して蓄積した帰国生の受験、英語学習などについての情報をお伝えしておりますので、ぜひご覧ください。
帰国生入試における面接の役割と評価のポイント


面接は単なる答え合わせの場ではなく、あなたという原石を磨いて披露する貴重な機会です。飾らない言葉で、かつ論理的に伝える準備をしていきましょう。
帰国生入試の面接が一般的な入試と大きく違う点は、そのストーリー性が問われるところにあります。特に渋幕や広尾学園、同志社国際といった学校は、多様な背景を持つ生徒を求めています。そのため、面接官は「この生徒が海外で何を経験し、それをどう乗り越え、入学後にどう貢献してくれるのか」という一貫したストーリーを見ようとしています。
また、服装についてもよくご質問をいただきますが、海外の学校やインターナショナルスクールに通っていて制服がない場合は、無理に日本の制服を用意する必要はありません。清潔感のある、少しカッチリとした服装(ブレザーやシャツ、落ち着いた色のスカートやスラックスなど)を準備して本番に臨むのが良いでしょう。
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実演解説!質問別NG回答とOK回答の決定的な違い


何を話すかと同じくらい、どう伝えるかも大切です。結論から話し、理由をエピソードで補強することで、面接官の記憶に残る回答になります。
ここからは、面接で必ずと言っていいほど聞かれる定番の質問について、具体的なNG例とOK例を見ていきましょう。自分の回答案と比較しながら、改善点を見つけるヒントにしてください。
質問1:日本と滞在国の違いは何ですか?
NG回答:
アメリカの人は日本の人より明るいと感じました。おかげで多くの友達ができました。
OK回答:
アメリカでは日本に比べてフレンドリーな人が多いと感じました。例えば、私が友達と公園でサッカーをしていた時、知らない人でも年齢に関係なく一緒にやろうと声をかけてくれることがよくありました。日本では経験したことがなかったので最初は驚いたのですが、サッカーを通じて交流の幅が広がりました。この経験から、アメリカと日本ではフレンドリーさが一番大きな違いだと感じました。
解説: NG回答は、事実を述べているだけで具体的なエピソードが欠けています。これでは、あなたの個性が面接官に伝わりません。OK回答のように、具体的な場面(公園でのサッカーなど)を盛り込むことで、話の信憑性が増し、その経験があなたにどのような影響を与えたのかまで伝えることができます。
質問2:海外生活で頑張ったことを教えてください
NG回答:
アメリカでサッカーをしていた時、英語があまり分からなくて苦労しました。最初はコーチの話も全然聞き取れなかったのですが、だんだん慣れていきました。それにチームメイトも優しくて楽しかったです。あとサッカーの練習は日本と違って面白かったです。英語も少しずつ話せるようになってサッカーも上手になったと思います。
OK回答:
私が海外で頑張ったことは、英語力が低い中でも積極的にコミュニケーションを続けたことです。アメリカでサッカーを始めた時、英語が分からない状態だったため、チームに馴染めずコーチの指示も理解できませんでした。それでも、翻訳機を使って積極的にコーチに誰よりも質問しに行ったり、チームメイトと簡単な挨拶から話し続けたりしたことで、チームに受け入れられ、英語での会話ができるようになりました。これは積極的にコミュニケーションを続けたことが実を結んだと感じました。
解説:NG回答は「苦労したこと」「楽しかったこと」「練習の違い」など、要素が多すぎて一番伝えたいポイントがぼやけてしまっています。OK回答では、最初に「コミュニケーションを頑張った」と一言で主張し、そのための具体的な行動(翻訳機の使用や挨拶の継続)を述べています。このように、一つの軸に絞って深掘りすることが重要です。
質問3:高校(中学)入学後に取り組みたいことはありますか?
NG回答:
私は小学生の頃から理科の実験が好きで、生物や化学の分野に強い興味があります。貴校のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の取り組みを通して、自分の興味を深めながら研究力を身につけたいと思いました。将来は父のように、英語を生かして海外で活躍する営業マンになりたいです。
OK回答:
私は小学生の頃から理科の実験が好きで、生物や化学の分野に強い興味があります。貴校のSSHの取り組みを通して、自分の興味を深めながら研究力を身につけたいと思いました。将来は、自分の海外経験と、SSHで学んだ知識やスキルを生かして、国連や国際NGOで環境保護の分野で働いてみたいです。
解説:NG回答の惜しい点は、一貫性の欠如です。理科の研究をしたいと言いながら、将来の夢が営業マンでは、面接官は「なぜうちの学校の理数教育が必要なのか」と疑問を抱いてしまいます。OK回答のように、過去の興味、入学後の学び、将来の展望を一本の線でつなげることで、説得力が飛躍的に高まります。
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面接評価を高めるための3つの黄金ルール


面接での一貫性は、自分を偽ることではありません。自分の過去を振り返り、原石を見つけ、磨き上げる作業こそが、合格への一番の近道です。
実演を通して見えてきた、面接対策で意識すべき重要なポイントを3つにまとめました。
理由と具体的なエピソードを必ず含める
単語や一言だけで答えてしまうと、面接官はあなたの背景を理解できません。なぜそう思ったのか、どんな出来事があったのかをエピソードとして添えましょう。ライティングの試験でも、主張の後に理由を書くのがルールであるのと同様に、面接でも根拠を示すことが大切です。
主張(結論)から先に答える
「あなたの頑張ったことは何ですか?」と聞かれたら、まず「私が頑張ったことは〇〇です」と言い切りましょう。最初に答えを提示することで、聞き手はその後のエピソードを理解しやすくなります。話が少し逸れてしまっても、最初に着地点を伝えていれば、面接官を迷わせることはありません。
過去・現在・未来に一貫性を持たせる
帰国生入試では、これまでの経験(過去)、今この学校に入りたい理由(現在)、そして卒業後にどうなりたいか(未来)の流れが重視されます。自分のやりたいことと、学校の特色がどう結びついているのかを整理しておきましょう。将来の夢がまだ明確でない場合は、無理に具体的な職業を作る必要はありません。「英語を使って困っている人を助けたい」「異文化の懸け橋になりたい」といった、自分の価値観に基づいた方向性を言語化するだけで十分です。
まとめ
渋幕・広尾・同志社国際の面接対策で重要なポイントは以下の通りです。
- 質問には単語で答えず、具体的なエピソードを添えて回答する。
- 最初に結論を述べ、その後に理由を説明する構成を意識する。
- 海外での経験から将来の目標まで、話の内容に一貫性を持たせる。
- 将来の夢は具体的な職業でなくても、自分の価値観や方向性を言語化できていれば良い。
- 服装は制服がなければ清潔感のあるフォーマルなスタイルで臨む。
直前期の不安を解消するために
帰国生入試における難関校の面接は、準備なしで突破できるほど甘くはありません。しかし、自分の経験を整理し、伝え方のコツを掴むことができれば、必ず道は開けます。
もし、自分一人での対策に限界を感じているなら、プロの目からフィードバックを受けることが非常に有効です。客観的な視点で自分の回答をブラッシュアップすることで、自信を持って本番に臨めるようになります。
TCK Workshopでは、生徒様のそれぞれのご状況に合わせた個別指導を実施しています。まずは無料学習相談にて、現在のお悩みをご相談ください。
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