英語のリーディングやライティング、日常の英会話は全く問題がないにもかかわらず、英検やTOEFL、SATなどの試験になるとどうしても点数が伸び悩んでしまう。そのような悩みを抱えている帰国生や海外在住のお子さんは少なくありません。

現地での生活や学校生活の中で自然な英語を身につけてきたお子さんほど、試験で求められる高度な語彙力、いわゆるアカデミックな語彙力の壁にぶつかってしまう傾向があります。この記事では、帰国生受験や資格試験のプロの視点から、お子さんが語彙力でつまづいてしまう原因を紐解き、単語帳を使った効率的な反復法や、英語の本をたくさん読む多読(Extensive Reading)法など、具体的な語彙力向上アプローチについて分かりやすくお伝えします。

ジョイス先生
学習相談員

講師:ジョイス リアム

TCK Workshopトッププロ講師のジョイス リアムです。
小5から3年半のニュージーランド滞在で培った生きた英語を、帰国後の学習で資格に通用する論理的な英語へと昇華させてきた経験があります。
入社後は中学・高校受験対策をメインに、英検やTOEFL、SATのスコアアップにおいて多くの生徒を合格へと導いてきました。
私自身が実践した感覚をルールで締め直す指導で、なんとなく解いている英語を確実な武器に変えますので、英語全般にお悩みの方はぜひご相談ください。

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    海外でも油断できない語彙力の壁

    ジョイス先生

    海外に長く住んでいて耳からの英語が得意なお子さんでも、いざ試験の長文を読むと、キーワードとなる単語の意味が分からず失点してしまうケースは非常に多いです。感覚的な英語から、試験で戦える確実な語彙力へステップアップする必要があります。

    現地校やインターナショナルスクールに通っているからといって、試験に必要な語彙力が自然と身につくわけではありません。日常会話で使う言葉と、試験や進学後の授業で使われるアカデミックな言葉には大きなギャップがあるためです。

    英検準1級や1級、あるいはTOEFLといった難関試験になってくると、社会問題、環境問題、科学、歴史など、新聞や学術雑誌に載っているような専門性の高いテーマが頻出します。例えば、英検準1級の品質単語には、仮説を意味するhypothesisや、汚染を意味するcontaminationといった、日常生活ではあまり耳にしない単語が並びます。これらは、現地の同世代のネイティブスピーカーが学校の授業や教科書を通じて体系的に学んでいく言葉です。そのため、ただ現地で生活しているだけでは、こうした高度な語彙を十分にカバーすることは難しいのが現実です。

    さらに、英語優位の生活を送っているお子さんの場合、日本の単語帳によくある「英語と日本語を1対1で対応させて覚える方法」がうまく機能しないことがあります。単語帳に書かれている日本語の訳語そのものの意味が分からないという問題が生じるためです。例えば、biodiversityという単語に対して「生物多様性」という日本語の訳がついていても、そもそも生物多様性とはどういう意味なのかがピンとこなければ、丸暗記しようとしても記憶には残りません。内容や概念そのものが難しくなる難関レベルの語彙学習では、単に文字を追うだけではない、もう一歩踏み込んだ工夫が求められます。

    単語勉強の難しさと記憶のメカニズム

    ジョイス先生

    単語帳を1周しただけで全てを覚えようとするのは、脳の仕組みから言っても無理があります。忘れることを前提に、何度も同じ単語に出会う仕組みを学習スケジュールの中に組み込んでいくことが大切です。

    語彙力を強化しようと単語学習を始めても、なかなか頭に入らなかったり、すぐに忘れてしまったりして挫折してしまうことは珍しくありません。これには、人間の脳の仕組みが大きく関係しています。

    人間は一度暗記した内容であっても、20分後には約42%を忘れ、1日後には約67%、6日後には約75%を忘れてしまうとされています。この恐ろしいスピードで進む忘却に抗うためには、適切な期間内での復習を重ねることが不可欠です。

    一度覚えた単語を1時間後、1日後、6日後、1ヶ月後といったように、期間を少しずつあけながら繰り返し復習することで、脳はその情報を重要だと判断し、短期記憶から長期記憶へと移行させます。このスケジュール管理を自分一人で行うのは難しいため、学習を習慣化させる仕組み作りが鍵となります。

    また、単語学習を進める上で意識したいキーワードが、「少なくとも3回、定着しなければ5回」は繰り返すという視点です。ただ機械的に何周もするのではなく、目的意識を持って取り組む必要があります。1周目は大まかな意味を捉え、2周目は発音を確認し、3周目は実際の文章での使われ方を学ぶといったように、回数を重ねるごとに情報の密度を濃くしていく方法が効果的です。

    語彙力を効率的に引き上げる具体的な解決策

    ジョイス先生

    単語の勉強は、ただ意味を覚えるだけでなく、リスニングで聞き取れるように発音をセットで覚えること、そしてライティングやスピーキングで実際に使えるレベルを目指すことが究極のゴールです。

    では、具体的にどのようなアプローチをとれば、試験で使える真の語彙力を身につけることができるのでしょうか。ここでは、プロの現場でも実践されている効果的な方法を解説します。

    英語の本をたくさん読む多読(Extensive Reading)アプローチ 

    長期的かつ自然に語彙力を伸ばしていくための最もおすすめな方法が、英語の本を読む多読法です。単語帳での丸暗記とは異なり、物語や解説文の文脈の中で単語に出会うため、その単語が持つニュアンスや使われ方がエピソードとともに強く記憶に残ります。

    多読を行う際は、自分の読書レベルに合った本を選ぶことが重要です。アメリカの教育現場などで広く普及している読書レベルの指標に、レクサイル指数(Lexile Framework for Reading)というものがあります。これは、文章の難易度や読解力を数値化したもので、自分の指数を知ることで、無理なく読める最適な書籍を調べることができます。例えば、3年生レベルであれば651Lから770Lといった指標を参考に、少しずつステップアップしていくことで、挫折せずに楽しみながら語彙を拡張していくことが可能です。

    日本の単語集を活用した反復練習と発音の習得 

    受験や資格試験といったタイムリミットがある場合は、英日・日英の単語集を活用して、短期間に大量の語彙に触れる方法も推奨されます。 このときに重要なのは、必ず音声を聞いて発音を同時に覚えることです。せっかくスペルと意味を覚えても、正しい発音が頭に入っていなければ、リスニング試験で流れてきたときに全く聞き取れず、実戦で役に立ちません。また、意味がパッと出てくるかどうかも大切な基準です。文脈から時間をかけて推測している状態は、本当に単語が定着しているとは言えません。単語そのものを見た瞬間に、2〜3秒で意味が弾き出せるレベルを目指して、広い範囲を何度もざっと見直す反復学習を行いましょう。

    概念の噛み砕きと英語での理解 

    先述の通り、日本語の訳語が難しくて理解できない場合は、英語による解説(英英辞典の定義など)を活用するのが有効です。例えば、imply(暗示する)という単語が分かりにくければ、英語のシンプルな表現で説明し直したり、具体的な例文を提示したりすることで、イメージが湧きやすくなります。言葉の概念そのものを理解するために、画像を見て視覚的に記憶したり、バイリンガル講師などの専門家に噛み砕いて説明してもらったりすることも、大人が考える以上に小学生や中学生のお子さんには効果的です。

    TCK Workshopの語彙指導実例

    TCK Workshopでは、世界中にいる様々な背景を持った生徒たちに対して、それぞれの課題に合わせたオーダーメイドの語彙指導を行っています。ここでは、実際の指導例を2つ紹介します。

    広い範囲を何度も反復するトフル対策の事例 

    1人目は、トフルのスコア50前後から目標の80点を目指して勉強している生徒さんの事例です。

    この指導では、2週間に1回の頻度で500から600単語という非常に広い範囲の単語テストを実施しています。 一度に完璧に満点を取ることは難しいため、合格ラインを8割前後に設定し、何度も同じ範囲を繰り返しテストすることで定着を図っています。狭い範囲を少しずつ進める方法だと、最初の数ページだけは完璧でも、後半に進む頃には最初の方を全て忘れてしまうという事態に陥りがちです。あえて広い範囲をざっと何度も見ることで、脳に刺激を与え続け、全体的な語彙力を底上げしています。

    1日のタスクを固定して習慣化させる英検準1級対策の事例 

    2人目は、英検2級レベルから準1級への合格を目指す、自分でペース管理をすることが少し苦手な小学校中学年の生徒さんの事例です。

    このケースでは、週に1回の授業で確認テストを行うとともに、1日20個(休日は30個)という具体的なデイリータスクを設定しました。 さらに学習を習慣化させるため、ご家庭にも協力してもらい、毎日朝10時にスマートフォンのアラームをセットして、タイマーが鳴ったら必ず単語の勉強を始めるというルールを固定化しました。 また、間違えた単語やリーディング対策の中で分からなかった重要単語を書き出す、自分だけの単語ノートを作成させました。世界に一冊しかない苦手克服ノートを数周した後に、そこから別軸のテストを行うことで、苦手な語彙を確実に潰していくことに成功しています。

    まとめ

    英語の語彙力を効率的に向上させ、受験や資格試験で成果を出すためのポイントは以下の通りです。

    • 日常会話の英語力だけでは難関試験のアカデミックな語彙の壁を越えることは難しいため、意識的な語彙学習が必要です。
    • エビングハウスの忘却曲線に基づき、一度の丸暗記ではなく、少なくとも3回から5回は反復して復習するスケジュールを立てましょう
    • 英語の本をたくさん読む多読法を取り入れ、レクサイル指数などを目安にお子さんのレベルに合った本を文脈の中で楽しむことが長期的な定着に有効です。
    • 試験対策など期限がある場合は単語帳を活用し、必ず正しい発音とセットで覚え、見た瞬間に意味が出るまで反復します。
    • 英語優位のお子さんには、難しい日本語の訳語をあてはめるのではなく、英語での解説や概念の噛み砕きを行うアプローチが効果的です。

    語彙力の強化は、一朝一夕にはいかないからこそ、日頃からのコツコツとした積み重ねと、正しい学習プロセスの構築が欠かせません。「うちの子に合った正しい語彙プランを知りたい」「単語の暗記がどうしても続かない」とお悩みの方は、ぜひ一度、TCK Workshopの無料学習相談(オンライン面談)へお気軽にご相談ください。

    参照

    この記事は、こちらのウェビナーを基に作成しています。TCK Workshop主催のウェビナーでは、指導経験豊富な講師が実際の指導を通して蓄積した帰国生の受験、英語学習などについての情報を、それぞれの時期に合わせて毎週お伝えしておりますので、ぜひご覧ください。

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