
日本の大学に通いながら世界名門大学の学位を同時に目指せる武蔵大学のパラレルディグリープログラム(PDP)は、帰国生や国際バカロレア(IB)を学ぶ受験生の間で非常に大きな注目を集めています。海外での生活経験を活かしてさらに高いレベルの学びへとステップアップしたいお子さんや、日本にいながらにしてグローバルに通用する力を身に付けたいと願うご家庭にとって、非常に魅力的な選択肢と言えます。しかし、世界最高峰の学術基準をクリアする必要があるため、入学に向けた対策や入学後のカリキュラムを乗り越えるためのハードルは決して低くありません。この記事では、武蔵大学PDPの具体的な仕組みや2027年度以降の最新情報、そしてプロの視点から分析した合格と学位取得に向けた具体的なロードマップを詳しく解説していきます。
TCK Workshopの無料学習相談では、武蔵大学PDPやIB入試をはじめとする難関グローバル入試の対策について、お子様の現在の学力や滞在国の環境に合わせたオーダーメイドの学習戦略をご提案しています。世界水準の教育を視野に入れているご家庭が抱える不安や疑問に対し、プロの学習アドバイザーが現状を丁寧に整理しながら、目標達成に向けた一歩を親身にサポートいたします。

講師:松竹 桃太郎
TCK Workshopプレミアム講師。高校2年生2学期まで日本で育ち、その後はカナダのバンクーバーに6ヶ月間語学学校に通い、第二言語として英語を習得しました。
その後、アメリカのコミカレ(短期大学)で2年間勉強し、3年次にUCLAに転入してBusiness Economicsを専攻しました!
先生として日本の中学~大学受験の英語や数学の試験対策を帰国子女や国際生の生徒様へ行った経験や、自らの大学受験準備や語学資格の習得経験、海外での学習経験を活かして、
あなただけの目標達成に向けて、現状を踏まえた提案を丁寧に行わせていただきます。
武蔵大学のPDP(パラレルディグリープログラム)の基礎知識

日本国内にいながらにして海外のトップ大学の学士号を並行して取得できるPDPは、長期の留学費用や渡航の負担を抑えつつ世界基準の教育を受けたいお子さんにとって理想的な仕組みと言えます。ただし、その学びの難易度は非常に高いため、どのようなプログラムなのかをまずは正しく理解することから始めましょう。
PDPは、武蔵大学の国際教養学部に在籍しながら、英国の名門であるロンドン大学のカリキュラムを並行して履修する特別なプログラムです。2015年に経済学部でスタートして以来、10年以上の実績を積み重ねており、現在は国際教養学部の経済・経営学専攻(EM専攻)の学生を対象に実施されています。なお、2027年度からはこの専攻が経済・経営・国際関係専攻(EMIR専攻)へと名称変更され、新たに国際関係学士号の取得も可能になる予定で、2026年中にその申請手続きが進められています。
このプログラムの最大の強みは、世界大学ランキングでも常に上位に位置するロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)が学術監修を全面的に担っている点にあります。カリキュラムの設計から日々の講義内容、そして試験問題の作成や採点に至るまで、すべてLSEが現地と同じ厳しい基準で行います。すべての授業と試験は英語で実施され、学生が書いた答案は名前を伏せた匿名の状態でロンドンへ送られ、現地と同じ基準でブラインド採点されるため、世界に通用する本物の学力を養うことができます。
一般的なダブルディグリープログラムとは異なり、2年間の海外留学などが必須要件とはなっていないため、日本国内のキャンパスを拠点にしながら武蔵大学の学士号とロンドン大学の学士号(BSc Economics and Management/経済経営学)の2つを4年間で取得することが可能です。武蔵大学は、このプログラムを日本国内で正式に提供できる唯一の公認機関としてロンドン大学から認められており、その教育体制への信頼度は極めて高いものがあります。
4年間の具体的な学習スケジュールとIELTSの壁
1年次の4月から7月までの期間は、大学での専門的な講義に耐えうる英語力の基礎強化と、専門科目の事前学習に全力が注がれます。そして最初の大きな関門となるのが、8月末までに国際的な英語技能試験であるIELTSにおいて、オーバーオール5.5(英検準1級相当)以上、かつ各技能で5.0以上を取得することです。この基準をクリアすることで、9月からロンドン大学の基礎教育プログラム(IFP)へと正式に進むことができます。
2年次の9月からは専門課程(BSc)へと進級し、ここからの3年間で合計12科目の専門的な履修を積み重ねていきます。4年次修了後の5月に実施される最終試験に合格することで、晴れて学位が授与される流れとなります。なお、長期間の留学は必須ではありませんが、夏休みを利用してLSEが現地で開催するサマースクールへの参加が強く推奨されています。世界中から集まる優秀な学生たちと机を並べて議論を交わす経験は、日本国内にいるだけでは得られない広い視野をもたらし、お子さんの大きな自信へとつながるため、ぜひ挑戦することをおすすめします。
PDPに必要な費用と充実した給付型奨学金制度
費用面においても、PDPには非常に大きなメリットが存在します。海外への長期留学を前提とする通常のダブルディグリープログラムと比較すると、日本を生活のベースにできるため、現地の滞在費や渡航費を含めたトータルの支出を大幅に抑えることができます。具体的な費用体系と、学生の学びを支える手厚い奨学金の仕組みを以下の表にまとめました。
| 項目 | 内容の概要 |
| 武蔵大学の学費 | 規定の大学学費が別途必要となります |
| ロンドン大学受講料 | 4年間で約12,900ポンド(日本円で約299万円、2025-2026年度時点) |
| 奨学金対象者 | 専門課程(BSc)の2〜4年次における各学年最大30名 |
| 給付型奨学金A | 学業成績が特に優秀な学生(10名以内)にロンドン大学の学費全額を支給 |
| 給付型奨学金B | 次に優秀な学生(30名からAを除いた人数)にロンドン大学の学費半額を支給 |
このように、本人の努力と成果に応じた手厚い経済的サポートが用意されているため、高いモチベーションを維持しながら学問に没頭できる環境が整っています。
海外の大学進学や、英語でのハイレベルな学位取得を目指す際には、早い段階からの英語力の強化と計画的な受験スケジューリングが欠かせません。
TCK Workshopでは、帰国生が日本の大学を受験する際の準備について以下の記事で詳しく解説しています。

国際バカロレア(IB)入試の現状と多様化する選択肢

国際バカロレアで培った探究の姿勢や論理的思考力は、PDPの厳しいカリキュラムを乗り越えるための強力な武器になります。近年、武蔵大学がIB入試の枠組みを強化していることからも、その親和性の高さがうかがえます。高校時代からの強みを活かした入試戦略を立てていきましょう。
世界基準のカリキュラムに対応できる探究的な学びの素地を持った学生を募るため、武蔵大学では入試制度の改革を迅速に進めています。2025年度の総合型選抜からは、国際バカロレアDiploma Programme(DP)型入試を導入しました。さらに2026年度には、新たに国際バカロレアMiddle Years Programme(MYP)型入試もスタートさせており、グローバルな視点を持った生徒を早期から評価する体制を整えています。
これらの入試制度において特筆すべきは、合格した受験生の入学率が極めて高いという点です。高校時代からIBのカリキュラムを通じて主体的に課題を設定し、論理的に考える訓練を積んできた生徒たちにとって、日本にいながらにしてロンドン大学の学位を目指せるPDPの環境は、自身の強みを100パーセント活かせる最高の舞台として選ばれていることがわかります。近年の具体的な入試実績を以下の表にまとめました。
| 入試年度 | 入試方式 | 志願者数 | 合格者数 | 入学者数 |
| 2025年度 | 国際バカロレアDP型 | 3名 | 3名 | 3名 |
| 2026年度 | 国際バカロレアDP型 | 2名 | 2名 | 2名 |
| 2026年度 | 国際バカロレアMYP型 | 1名 | 1名 | 1名 |
このように、志願した生徒全員が合格後にそのまま入学している実績からも、このプログラムに対する受験生の熱意の高さと、大学側が求める学生像とのマッチングの正確さがうかがえます。
国際バカロレア(IB)のカリキュラムは、その内容の濃さから日々のタイムマネジメントや個別のアプローチが求められます。IBを活かした大学受験戦略については、こちらの記事も参考にすることをおすすめします。
PDPで学位を取得するために求められる能力と学生の特徴
PDPは非常にハードルの高いプログラムであるため、単に英語ができるという理由だけで誰もが簡単に修了できるわけではありません。プログラムの導入初期である1期生や2期生の段階では、学位の取得率は決して高くはなかったという課題がありました。しかし、3期生以降に大きな転機を迎えることになります。経済学や経営学の高度な理解には数学的な思考力が不可欠であることから、選抜科目に数学を追加しました。これにより、文系であっても数学がしっかりとできる学生を視野に入れたことで、学びを論理的に積み上げる素地のある学生が集まるようになり、学位取得率が一気に向上しました。
実際にロンドン大学の学位を取得した学生たちの出身高校を見てみると、都立の中堅校や通信制高校、地方の公立高校など、非常に多様なバックグラウンドを持っています。この事実が示しているのは、入学時の偏差値や知名度だけで結果が決まるのではないということです。大切なのは、日々の講義でわからないことが出てきた際に、その都度教員に確認して不明点を積み残さない、コツコツとした継続的な勉強ができるかどうかです。武蔵大学は少人数制の丁寧な教育に定評があり、教員が学生の疑問に一つひとつ親身に応えてくれるため、自ら主体的に質問に行く姿勢を持った学生が着実に理解を深めています。
一方で、途中でプログラムの継続が難しくなってしまう学生の共通のパターンも明確になっています。それは、サークル活動やアルバイト、あるいは就職活動などの課外活動に過度に時間を割いてしまい、学業の優先順位が下がって勉強しなくなってしまうケースです。もちろん、これらの社会経験や活動自体は決して否定されるものではありません。学業に主軸をしっかりと置きながら、自分の生活や時間の割り振りを適切にコントロールできれば、高い確率で学位を取得することができます。
学位取得の先にある圧倒的な進路・就職実績
PDPのカリキュラムを完遂するためには、毎日少なくとも2時間の予習と復習を4年間、欠かさず続ける必要があります。これは非常に厳しい道のりですが、たとえ最終的にロンドン大学の学位取得にいたらなかったとしても、この「自ら学び、自走する習慣」を身に付けた学生は、社会に出てから自分の力で生き抜く強さを手に入れています。そのため、卒業生は外資系IT企業や戦略系コンサルティングファームを中心に、多くの企業から極めて高い評価を受けています。主な進路実績を以下の表に整理しました。
| 進路の区分 | 具体的な実績企業および進学先 |
| 外資系・国内戦略コンサルティング | アクセンチュア、KPMGコンサルティング、PwCコンサルティング |
| 大手IT・通信・製造業 | NTTドコモ、NTTデータグループ、楽天グループ、SUBARU |
| 国内外のトップ大学院への進学 | ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)、東京大学公共政策大学院 |
このように、グローバルなビジネスシーンの第一線で活躍する道や、国内外のトップスクールへ進学してさらに研究を深める道が、卒業生に対して広く開かれています。
2027年度からの新専攻と9月入学による進化
武蔵大学のPDPは、現状にとどまることなくさらなる進化を続けています。2027年度からは、PDPの履修を前提とした新しい専攻として「ビジネスデータサイエンス専攻(BDS専攻)」が新設される予定です。この専攻は、統計学、プログラミング、機械学習とビジネス課題の解決を組み合わせた先進的な内容で、ロンドン大学の「BSc Data Science and Business Analytics(データサイエンス&ビジネスアナリティクス学士号)」の取得を目指すことができます。LSEが特に力を入れているプログラムであり、この学位を取得できれば、国境を問わずキャリアの選択肢が広がり、国内大手企業はもちろん、海外の大学院への道も大きく拓かれます。
さらに、同じく2027年度からは「9月入学」の制度も実施される予定となっています。これにより、海外の現地校やインターナショナルスクールを6月に卒業した生徒がブランクなしでスムーズに入学できるようになるだけでなく、多様な文化的・教育的バックグラウンドを持った学生たちが同じ教室に集うことになります。議論の質がさらに高まり、PDP本来の「世界基準の学び」がより深まることが期待されています。
ただし、このPDPという選択肢を選ぶにあたっては、保護者とお子さんの相互理解が大前提となります。前述の通り、4年間毎日2時間の勉強を継続する生活は非常にハードです。ときには、勉強にいそしむ子どもを見て、親の側がサークルやアルバイトをもっと楽しむべきだと諭してしまうケースもありますが、それでは学生の可能性を閉ざしかねません。こうしたミスマッチを防ぐため、武蔵大学では合格発表後に「入学前ガイダンス」を丁寧に実施し、プログラムの厳しさとその先にある価値について、保護者と受験生の双方に伝える場を設けています。
TCK Workshopが教える!武蔵大学PDP合格へのロードマップ

世界水準の学びを勝ち取るためには、高校時代からの戦略的な準備が不可欠です。英語の資格対策にとどまらず、大学での学問の土台となる思考力や数学力をバランスよく育むための具体的なステップを意識していきましょう。
武蔵大学のPDPへ進学し、さらにその先にあるロンドン大学の学位取得を現実のものにするためには、高校在学中から明確なロードマップを持って準備を進めることが極めて有効です。ここでは、数多くのグローバル入試をサポートしてきたTCK Workshopの知見に基づき、実践すべき4つの重要な対策ステップを解説します。

1. 高校在学中から始めるアカデミック英語とIELTS早期対策
大学入学後の最初の夏までにIELTS 5.5以上をクリアする必要があるため、高校時代からアカデミックな英語の読み書きに慣れておくことが重要です。現地校やインターナショナルスクールに通っている生徒であっても、日常会話の流暢さに頼るだけでは、IELTSのライティングにおける論理構成や、正確な文法構造に基づいたスピーキングで苦戦することが少なくありません。
まずは、自分の意見を論理的に組み立てる「エッセイ・ライティング」の型を身に付けましょう。客観的なデータや背景を基に、筋道の通った文章を英語で書く訓練を重ねることで、入学後の大量のリーディング課題やLSE監修の講義にも圧倒されない、本物のアカデミック英語の基礎力を養うことができます。
2. IB(国際バカロレア)生が総合型選抜を勝ち抜くための探究言語化
新設されたDP型やMYP型の入試を活用する場合、単にIBのスコアや履修実績を提出するだけでなく、自身がこれまで行ってきた探究学習の成果を、大学側の求める学生像に合わせて論理的に言語化する力が求められます。志望理由書や面接において、自分が取り組んだExtended Essay(EE)やInternal Assessment(IA)のプロセスを振り返り、どのような問いを立てて解決に導いたかを具体的に説明できるように準備しましょう。面接官に対して「自分にはPDPの世界水準のカリキュラムを学び抜く覚悟と基礎体力がある」という点を、説得力を持ってアピールするための表現力を磨くことが大切です。
3. 入学後の挫折を防ぐための経済数学の先取りと基礎固め
プログラムの学位取得率を大きく向上させた要因が数学力であることからもわかるように、ロンドン大学の経済・経営学のカリキュラムでは、高度な統計学や微積分などの数学的アプローチが日常的に求められます。高校時代に文系コースを選択していた生徒や、IBのMathで基礎レベルを選択している生徒にとって、大学水準の経済数学は非常に高い壁に感じられることがあります。
入学が決まった段階、あるいは高校の後半の時期から、大学1年次・2年次で必要となる数学の概念を少しずつ先取り学習しておくことをおすすめします。数式が何を意味しているのかという根本的な概念理解を深めておくことで、入学後に数学が原因で進級や学位取得を諦めるというリスクを徹底的に排除することができます。
4. 自走する学習習慣と日英バイリンガルによる概念理解
PDPで最も求められるのは、毎日2時間の予習・復習を4年間続けるという、自分で学ぶ姿勢、すなわち自走する力です。この主体的な学習習慣を高校時代から確立しておくことが、最大の合格・修了対策となります。また、英語での講義内容を表面的な暗記で終わらせず、日本語でその背景にある社会問題や経済理論の本質を深く噛み砕いて理解した上で、再び英語でアウトプットできるようにするバイリンガルアプローチを意識しましょう。日本語と英語の両方を行き来しながら概念を理解する習慣をつけることで、生徒の中に強固な知識の芯が作られ、武蔵大学が掲げる「自ら調べ自ら考える力」を体現する人物へと成長することができます。海外のカリキュラムや国際試験の対策をオンラインで効率的に進めるためには、個々の状況に合わせた適切なサポート体制の構築が重要です。
まとめ
武蔵大学のパラレル・ディグリー・プログラム(PDP)の特徴や、合格に向けた準備のポイントは以下の通りです。
- 日本にいながら武蔵大学とロンドン大学の2つの学士号を4年間で並行取得できる、国内で唯一無二の画期的なプログラムです。
- カリキュラムや試験の監修は世界名門のLSEが担当し、すべての授業とブラインド採点の試験が英語で厳格に実施されます。
- 国際バカロレア(IB)のDP型およびMYP型入試が導入されており、高校時代から探究的な学びを行ってきた生徒を高く評価しています。
- 学位取得には高い英語力だけでなく、経済学や経営学の基盤となる数学力と、毎日2時間の学習を4年間続ける粘り強さが不可欠です。
- 2027年度からは「ビジネスデータサイエンス専攻」の新設や9月入学の導入が予定されており、より多様でグローバルな教育環境へと進化します。
世界水準で学び抜く覚悟という武蔵大学からのメッセージに応え、将来グローバルな舞台や最先端のビジネスシーンで活躍する力を手に入れるためには、高校時代からの確実なステップアップと、プログラムの特性に合わせた事前の準備が極めて有効になります。
TCK Workshopでは、武蔵大学PDPへの進学を目指すお子様や、入学後の厳しいカリキュラムに備えたいというご家庭のために、個別のカリキュラム構築と専門講師による親身なオンライン個別指導を行っています。現在の英語力や数学力に不安がある場合でも、志望校合格と将来の学位取得から逆算した最適な学習プランをご提案いたしますので、まずはお気軽に無料学習相談へお申し込みください。
