帰国子女枠を設けている日本の大学や高校の入試では、海外での貴重な経験やそこで培われた多様な視野を評価するため、個人面接だけでなくグループディスカッションを課す学校が増えています。一般選抜のような筆記試験の一発勝負とは異なり、これらの対面試験では受験生の人物像やポテンシャル、論理的思考力が総合的に判断されるのが特徴です。

しかし、海外での生活が長く英語でのコミュニケーションに慣れているお子さんであっても、日本の入試における面接や議論の場で、自身の強みを日本語で的確に伝えるのは容易ではありません。日常会話とは異なるアカデミックな対話のルールや、集団の中での立ち振る舞い方に戸惑うケースも少なくないようです。

この記事では、多くの帰国生を志望校合格へと導いてきたプロ講師の知見をもとに、個人面接とグループディスカッションのそれぞれで押さえておきたいポイントを詳しく解説します。

豊田先生
学習相談員

講師:豊田 鈴

TCK Workshopでトッププロ講師として指導と教育相談を担当しております。幼少期の3年間をアメリカで過ごし、帰国後は日本カリキュラムで学んできました。
講師として、日本カリキュラムの国語と英語、算数・中学数学や、志望校別の英語エッセイ・日本語作文、志望理由書、面接対策を担当しております。またHistory系の科目のサポートをさせていただくこともあります。
これまでの学習や指導の経験を活かし、皆さまの現状をふまえた最適な提案をさせていただきます!些細なことでもかまいません。どうぞお気軽にご相談くださいませ!

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    TCK Workshopの無料学習相談では、お子さんの志望校や現在の課題に合わせたオーダーメイドの面接対策プランをご提案しています。海外に在住しながらでもオンラインで受けられる実践的な模擬面接を通じて、第一志望校の合格に向けて今からできる準備を一緒に進めていくことができます。

    帰国生入試の面接試験で学校側が評価している4つの要素

    豊田先生

    面接官が何を見て合否を判断しているのかという評価基準を正しく知ることが、効果的な対策の第一歩になります。単に質問に答えるだけでなく、学校が求める学生像に自分が合致しているかをアピールする意識を持つと良いですね。

    個人面接でも集団選考でも、試験官が受験生を評価する際の軸となる要素は主に以下の4点に集約されます。

    評価項目評価されるポイント面接官が見ていること
    志望理由の一貫性「なぜその学校を志望するのか」を論理的に説明できるか入学意欲の高さや、学校の教育方針を十分に理解しているか
    表現の明瞭さ結論から簡潔に、自分の考えを分かりやすく伝えられるか論理的思考力や、要点を整理して伝える力
    所作と礼儀挨拶、姿勢、言葉遣い、誠実な態度などの基本的なマナー学校生活で周囲と良好な関係を築ける人物か、社会性や人柄
    日本語の対話力質問の意図を理解し、適切な日本語で論理的に受け答えできるか円滑なコミュニケーション能力や、日本語での対話力

    個人面接の対策で必ず押さえたい3つのポイント

    個人面接でしっかりと自分らしさを表現し、面接官に良い印象を残すためには、以下の3つのポイントを意識して準備を進めるのが有効です。

    独自の将来像と学校のプログラムを繋げた志望理由の構築

    多くの帰国生が「英語が得意だからこの学校に入りたいです」「国際的な環境に魅力を感じたから」といった志望理由を語りがちです。しかし、英語ができる受験生が集まる帰国生入試では、これだけでは他の受験生の中に埋もれてしまいます。

    大切なのは、海外での具体的な経験から導き出された「将来やりたいこと」や「将来なりたい人間像」を語り、それを実現するために「なぜこの学校でなければならないのか」を論理的に結びつけることです。学校が独自に実施しているカリキュラムやプログラムを徹底的にリサーチし、「貴校の〇〇プログラムで学び、将来は〇〇に活かしたい」と具体的に語れるように準備を進めるのが良い選択です。

    時間枠に応じた2パターンの自己PRの準備

    面接の中で「自己PRをしてください」と求められた際、時間を意識せずに長く話してしまうのは避ける必要があります。そのため、30秒程度で簡潔に自分の強みと具体的な実績(数値など)を伝えるショートバージョンと、エピソードやそこからの学びを詳しく話す90秒程度のロングバージョン2パターンを用意しておくのが賢明です。

    例えば、資格試験に向けて「毎日単語を100個ずつ覚え、リーディングを1日1題必ず解くというルールを半年間継続し、目標を達成しました」というように、具体的なプロセスや数字を交えて強みをアピールできると、非常に説得力が増します。短いバージョンで興味を持ってもらい、深掘りされたら90秒バージョンで豊かなエピソードを話せるように準備しておくのがおすすめです。

    想定外の質問を乗り切る3ステップの対話術

    どれだけ準備をしていても、本番では予想もしなかった質問を投げかけられることがあります。その際、焦ってすぐに答えようとして沈黙してしまうのが一番もったいない対応です。そこで、以下の3ステップを意識して対応することをおすすめします。

    1. 質問の意図を受け止めて言い換える:質問された内容を「〜ということですね」と自分の言葉で言い換えて確認し、頭の中で考えるための時間を確保します。これによって、無言の時間が続くのを防ぐことができます。

    2. 結論を述べる:まずは質問に対する明確な回答(結論)をシンプルに述べます。

    3. 根拠やエピソードを述べる:結論に至った理由や、自分のこれまでの海外生活での経験などを付け加えます。

    このステップを踏むことで、想定外の質問であっても、自分の強みや価値観、ブレない軸に引き寄せて回答することができるようになります。

    グループディスカッションで差をつけるための3つの秘訣

    豊田先生

    グループディスカッションは、個人面接とは全く異なる能力が試される試験です。自分がどれだけ喋って目立つかではなく、グループ全体の議論をどのように深め、結論に導く貢献ができたかが見られています。

    東京学芸大学附属国際高校大宮国際高校、あるいは渋谷教育学園幕張高校などの難関校で実施されるグループディスカッションを突破するためには、個人面接とは異なる「集団の中での振る舞い」をマスターする必要があります。

    話す力よりも相手の意見を受け止める傾聴力

    グループディスカッションにおいて、自分の意見ばかりを主張して目立とうとするのはマイナスの評価に繋がりかねません。最も重要視されるのは「聞く力」です。他の受験生が発言しているときはしっかりと頷き、共感の姿勢を示すことが大切です。

    発言する際も、単に自分の意見を述べるだけでなく、「〇〇さんの意見に加えて、私は〜」「〇〇さんの視点は非常に素晴らしいですね、それに関連して〜」というように、相手の名前を呼んで意見を一度受け止めた上で、自分の考えを付け足すようなアプローチを心がけると良いですね。

    少数派の意見を恐れずに論理的に提示する姿勢

    議論の中で、自分の意見が周りと違っていると、発言するのを躊躇してしまうお子さんも少なくありません。しかし、ディスカッションは多数決で決める場ではないため、周囲と異なる視点であっても、自身の海外での経験や根拠をもとに論理的に説明できれば、議論を活性化させたとして高い評価を得られることがあります。

    周囲の意見を否定するのではなく、多様な視点を提供するという意識を持ち、異なる意見であっても「相手を尊重した反論や提案」を丁寧に行うことが大切です。

    自分の特性に合わせた最適な役割の選択

    グループディスカッションでは、以下のような4つの役割が存在します。リーダーシップをとって進める役割だけが評価されるわけではありません。自分の得意分野に合わせて、グループに最も貢献できる役割を選択することをおすすめします。

    進行役(ファシリテーター):議論の流れを作り、発言が少ない人に話を振るなど場を回す役割です。全体を見渡す力や調整力があるお子さんに向いています。

    整理役:出された多様な意見を整理し、共通点や相違点をまとめる役割です。みんなの意見をよく聞き、要約するのが得意なお子さんに適しています。

    時間管理役:10分〜15分といった限られた時間を意識し、「残り5分なので、そろそろ結論をまとめませんか」といったタイムマネジメントと提案を行う役割です。

    補足役:議論の中で見落とされている懸念点や、クリティカルな視点を提示する役割です。客観的な分析力や、物事を別の角度から見るのが得意なお子さんにおすすめです。

    個人面接とグループディスカッションの違いと対策

    個人面接とグループディスカッションは、共通して言葉を使う試験ではありますが、求められる頭の使い方は全く異なります。それぞれの試験の特性を正しく理解し、頭を切り替えて臨むことが大切です。

    項目個人面接グループディスカッション
    発言の機会自分のターンが常に保証されている自分で発言のタイミングを見極める必要がある
    評価される力自己分析や学校理解をもとに、自分の考えを伝える力他者と協力しながら議論を進める力、コミュニケーション力
    準備のしやすさ一人での準備が成果に直結しやすい一人での練習が難しく、実践的な練習が重要
    特徴事前準備の質が結果に反映されやすいリアルタイムで他者と関わりながら議論を構築する必要がある

    家庭でできる対策としては、日頃から家族や友人と会話をする際に「まず相手の意見をしっかりと受け止め、頷いてから、自分の意見を伝える」というコミュニケーションの習慣をつけておくことが、間接的ながら確実な力となります。

    TCK Workshopによる面接・グループディスカッション対策

    帰国生入試を突破するためには、語学力だけでなく、日本の受験システムに合わせた専門的な面接・ディスカッション指導が不可欠です。TCK Workshopでは、国内外の入試動向に精通したプロ講師陣が、オンラインで徹底的なサポートを提供しています。

    帰国生の強みを引き出すエピソードの深掘り

    海外生活の中で得た経験は人それぞれですが、本人がその価値に気づいていないケースが多々あります。私たちの個別指導では、生徒さんとの対話を通じて、楽しかったことだけでなく、苦労したことやネガティブな経験も引き出します。失敗から何を学び、どのように改善しようと行動したかという「プロセス」を言語化することで、面接官の心に響く独自の自己PRへと洗練させます。

    本番さながらの模擬面接と実践的なフィードバック

    オンラインの特性を活かし、志望校の選考形式を再現した緊張感のある模擬面接を行います。日本語の表現の誤りや、結論から論理的に話せているか、話し方の癖などを細かくチェックし、その場で具体的な改善点を指導します。繰り返し練習を行うことで、想定外の質問が来ても慌てない柔軟な対応力を養います。

    グループディスカッション対策講座での実践指導

    1人では対策が難しいグループディスカッションに向けて、実際の選考を模した集団形式の対策講座を提供しています。東京学芸大学附属国際中等教育学校などのグループ面接・ディスカッションを課す代表的な学校を対象とした専用の対策講座もご用意しており、議論の中での立ち振る舞いや、自分に合った役割(進行、整理、時間管理、補足)の適性を見極めながら実践力を磨くことができます。

    まとめ

    帰国生入試の個人面接およびグループディスカッションで合格を勝ち取るための要点は以下の通りです。

    • 個人面接では、具体的な将来像と学校のプログラムを繋げた志望理由を語り、30秒と90秒の2パターンの自己PRを用意する
    • 想定外の質問に対しては、一度相手の質問を言い換えて考える時間を確保し、結論から論理的に述べる3ステップを意識する
    • グループディスカッションでは、話すこと以上に相手の意見を傾聴し、名前を呼んで受け止める姿勢が評価される
    • 多数決や目立つことにとらわれず、進行役や補足役など自分の特性に合った役割を見極めて議論に貢献する
    • 個人面接とグループディスカッションの違いを理解し、日常の会話から「まず受け止めてから話す」習慣を養う

    お子さんの帰国生受験に向けた面接・グループディスカッションの対策や、日本語での論理的思考力の育成についてお悩みの方は、ぜひ一度、TCK Workshopの無料学習相談へお気軽にお問い合わせください。

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