IBDP Historyのカリキュラム改訂に関する最新情報をお伝えします。DP Historyの新カリキュラムは2026年2月に正式公開され、2026年8月から実際の授業が開始される予定です。また、新しい評価基準に基づく最初の外部試験(Assessment)は2028年5月に実施されます。
DP History は、過去の出来事に対する証拠に基づいた解釈を行う学問です。新カリキュラムでは「歴史的探究(Historical Inquiry)」を中心に据え、歴史的に考える力(Thinking Historically)の育成にさらに重点が置かれています。生徒は多様な背景、概念、内容、スキルを通して過去を探究し、多角的な視点や史料を分析・比較しながら主体的に判断を導き出すことが求められます。

講師:古久保 麻友
TCK Workshopのトッププロ講師。小学生時代にイギリスの現地校、中高はドイツのインターナショナルスクール(IB校)に通い、ICU大学(9月入学)へ進学。小中高受験や編入、英語資格、IBなど幅広い進路相談に対応。英語資格対策や中学受験・編入指導を得意とし、サレジアン世田谷・赤羽、ICU高校、学芸大国際などの合格実績あり。日本語作文、志望理由書、面接対策、IB DP(Japanese/English)指導も可能。
TCK Workshopの無料学習相談では、IBDP各科目のカリキュラム改訂に伴う具体的な学習計画や、高いスコアを獲得するための対策方法を個別に提案しています。IBの課題評価(IA)や外部試験(Paper)に向けた学習でお悩みの方は、プロの学習アドバイザーによる無料診断をご活用ください。
DP History新カリキュラムの基本構造と柔軟性


新カリキュラムへの移行期は情報収集が合否やスコア達成の鍵を握ります。まずは全体像を正確に把握し、求められる「思考力」や「分析力」を日頃の学習でどのように育むか、早めの戦略立案を心がけましょう。
新しいDP Historyは、世界中のさまざまな国や地域の学校で学べるよう、柔軟に設計されたカリキュラムです。単に世界史を年代順に学ぶのではなく、世界共通のテーマと地域ごとの歴史を組み合わせながら、多角的に歴史を考える力を育てることを目指しています。
授業では、すべての学校が共通して「探究の視点」「重要な歴史概念」「歴史的思考力」を学びます。その一方で、扱うテーマや具体的な歴史事例は、学校や担当教員が自由に選択できるため、それぞれの学校の教育方針や生徒の興味・関心に合わせた授業を行うことができます。
例えば、教師はペア・ケーススタディやグローバルテーマを選び、HL(Higher Level)ではさらに地域ごとの詳細なテーマを選択します。また、それぞれのテーマに関連する具体的な歴史事例も自由に設定できるため、同じDP Historyでも学校によって学ぶ内容が一部異なる場合があります。
DP Historyは「世界共通の学習目標」を維持しながらも、学校や生徒が興味・関心に応じて学ぶテーマや事例を柔軟に選択できるカリキュラムへと進化しました。そのため、知識を暗記するだけでなく、自ら問いを立て、多様な視点から歴史を考察する力がこれまで以上に重視されます。
旧カリキュラムとの主要な変更点まとめ
新カリキュラムにおける主な変更点と、それぞれの目的・構成を以下の表にまとめました。
| 項目 | 旧カリキュラム | 新カリキュラム | 概要・主な目的 |
| 指定概念 | 従来の概念設定 | 4つの指定概念(原因と結果、継続と変化、多様な視点、歴史的意義) | コース全体を通して4つの概念を軸に歴史を考察する力を養う。 |
| 史料分析項目 | Prescribed Subjects | Paired Case Studies | 5種類のケーススタディから1組を選択。異なる立場や視点の史料を比較・分析する力を育成する。 |
| テーマ学習 | World History Topics | Global Themes | 4つのテーマから1つを選択し、時代や地域を超えた歴史的なつながりを考察する。気候変動やイノベーションなどの新しいテーマも追加。 |
| 地域研究 | Depth Studies | Regional In-depth Topics(地域別詳細テーマ) | 4地域の中から1地域を選び、12テーマ中2テーマ(HLのみ)を学習。歴史学者の議論を比較・評価する力を養う。 |
| 多様な視点 | 既存の主要テーマ中心 | マイノリティや周縁化された人々の視点を拡充 | 従来よりも多様な立場や経験を扱い、より多角的・包括的な歴史理解を目指す。 |
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評価方法(Assessment)の具体的な変更点


外部評価(Paper 1〜3)および内部評価(IA)の評価形式にも、いくつかの重要な見直しが行われています。
外部評価(Paper 1, Paper 2, Paper 3)の変更点
Paper 1は引き続き史料分析を中心とした試験ですが、新カリキュラムでは「探究課題(Inquiry Question)」軸の構成に変更されます。受験者は、与えられた複数の史料から必要な情報を抽出し、史料の背景や視点を比較分析した上で、探究課題に対する答えを記述します。自由記述問題の割合が増加しているため、自身の考えを論理的に表現するスキルが試されます。
Paper 2では、新たに「Section A」が新設されました。Section Aではコース全体で扱う4つの指定概念に関する設問が出題されます。Section Bでは選択したグローバルテーマについて短答および論述問題が出題されます。従来の構成に比べて論述(エッセイ)の設問数が減少し、より取り組みやすく柔軟な試験構成に調整されています。
Paper 3(HL対象)は地域別詳細テーマに関する論述試験です。従来は3問の解答が必要でしたが、新カリキュラムでは「2問」に削減されます。ただし、それぞれ異なるテーマから選択する必要があり、提示された主張や歴史学的解釈を批判的に評価・検討することが求められます。
なお、すべての試験において、受験生が十分に思考して解答を作成できるよう試験時間が見直されています。
内部評価(Internal Assessment: IA)の変更点
内部評価は生徒自身が選定したテーマによる歴史研究(Historical Investigation)である点に変更はありません。しかし、従来の「Reflection(振り返り)」セクションが廃止され、以下の3部構成に再編されました。
- 歴史的探究課題(Historical Inquiry Question)
- 史料と多様な視点(Sources and Perspectives)
- 統合と評価(Synthesis and Evaluation)
改訂後は「なぜその探究課題を設定したのか」「どのような理由でその史料を選択したのか」という選定根拠の説明がより強く求められます。使用できる史料数は最大7点までに制限されたため、史料を絞り込み、深く掘り下げた分析と質の高い考察を行うことが重要となります。
新カリキュラム導入に伴う注意点

新カリキュラムでは、生徒が主体的に歴史を探究し、多角的な視点から考察する力がこれまで以上に重視されます。その一方で、従来の学習方法だけでは十分に対応できない点もあるため、事前に変更点を理解しておくことが重要です。
論述では「知識」よりも分析力・評価力が重視される
新しい評価では、単に歴史的事実を正確に説明するだけでなく、史料や歴史的事象を分析・評価し、自分の考えを論理的に展開する力が求められます。
特に、「なぜこの史料を根拠として用いるのか」「史料にはどのような立場や偏りがあるのか」「複数の視点から見るとどのように解釈できるのか」といった史料批判(Source Evaluation)の力は、Paper 1だけでなく内部評価(IA)においても重要な評価ポイントとなります。
新しい学習テーマへの対応が必要
新カリキュラムでは、「気候変動とレジリエンス」や「イノベーションと社会変革」といった新しいテーマに加え、マイノリティや周縁化された人々の視点など、多様な歴史の捉え方が取り入れられています。
これらの分野は新設された内容であるため、当面は過去問や参考書などの学習教材が限られる可能性があります。教科書だけに頼るのではなく、さまざまな史料や文献に触れながら、自ら考察する姿勢がこれまで以上に重要になります。
IAでは「史料の量」より「質」が問われる
内部評価(IA)では、探究課題(Historical Inquiry Question)の設定に加え、研究目的に応じて適切な史料を選び、その価値や限界を踏まえて分析・評価することが求められます。
使用できる史料数にも上限が設けられているため、多くの資料を集めることよりも、研究課題に最も適した史料を厳選し、それらを根拠として質の高い考察を展開することが重要です。
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TCK WorkshopによるIBDP History対策

新しいDP Historyでは、史料を多角的に分析する力や、指定概念を用いて歴史を考察する力、そして主体的に探究を進める力がこれまで以上に重視されます。TCK Workshopでは、新カリキュラムに対応したマンツーマン指導を通して、一人ひとりの目標や学習状況に合わせたサポートを提供しています。
Paper 1・Paper 2・Paper 3に対応した論述・史料分析指導
新カリキュラムで重視される4つの指定概念(原因と結果、継続と変化、多様な視点、歴史的意義)を適切に活用しながら、論理的に考察・論述する力を養います。Paper 1の史料分析では、史料の背景や意図、多様な視点を読み解く力を、Paper 2・Paper 3では、歴史的事象を比較・評価し、自分の主張を根拠とともに展開する力を、経験豊富な講師がマンツーマンで指導します。
IA(内部評価)のテーマ設定から完成まで徹底サポート
内部評価(IA)では、探究課題(Historical Inquiry Question)の設定と、史料の選定・評価が重要な評価ポイントとなります。TCK Workshopでは、生徒の興味・関心をもとに研究テーマをブラッシュアップし、適切な史料の選定や分析方法、論理的な構成づくりまで一貫してサポートします。評価基準を踏まえながら、質の高い歴史研究の完成を目指します。
バイリンガル指導による概念理解とアカデミックライティング
DP Historyでは、歴史的事象や史料を深く理解し、それを英語で論理的に表現する力が求められます。TCK Workshopでは、必要に応じて日本語で歴史的背景や概念を丁寧に解説し、本質的な理解を深めたうえで、英語による史料分析やエッセイライティングへとつなげます。英語力と歴史的思考力の両方を伸ばしながら、試験やIAで高い評価を目指します。
まとめ
IBDP歴史(History)の新カリキュラムについて、重要なポイントは以下の通りです。
・2026年8月から授業開始、最初の評価(試験)は2028年5月に実施される。
・「探究課題」や「指定概念(4つ)」を中心とした学習構造へ再編される。
・Paper 1・2・3の設問形式が見直され、論述数の減少とともに、より深い史料評価や探究への回答が求められる。
・IA(内部評価)では振り返りセクションが廃止され、課題設定と史料選定の理由説明が重視される(史料は最大7点)。
・過去問が少ない新テーマへの対応や、質の高い史料分析スキルの習得には、早めの個別対策が効果的である。
新カリキュラムの特性を正しく理解し、着実な準備を進めていきましょう。TCK Workshopの無料学習相談では、お子様の学習状況や目標スコアに応じた最適な学習プランをご提案いたします。
