帰国子女受験での高校受験を検討している受験生、そして保護者の皆様。現在すでに勉強中の方にも、これから準備をスタートしようという方にも、数学を学習する上で知っておいて欲しいこと、意識した方が良いことを、学年・単元別に整理していきます!

言葉の定義の再確認。幾何の学習と同時に覚えておくべき用語とは。

中学生の幾何の学習を始める前に小学生範囲の図形の知識を確認しよう!

小学生のカリキュラムでは角度や面積を求めることが中心になりがちな図形問題(以降幾何とします。)ですが、中学生になると一気にその領域を広げ、難易度も高くなります。

図形問題に対する苦手意識を持っている生徒さんも多く見かけますが、順序立てて整理しながら学習していきましょう!まずは中学校の範囲の学習をスタートする前に、下記の小学校の学習内容の理解に不足がないかを確認していきましょう

中学数学 学習前の確認すべきチェックリスト

絶対に理解しておこう!ここまで理解できていればベター!
・2本の直線の関係(交わる、平行、垂直)が説明/作図できる
・線対称・点対称の位置関係を説明できる
・距離の意味を理解できる

・三角形・四角形の内角の和を覚えており、簡単な角度の問題に取り組める・五角形以上の多角形についても内角の和および外角の和、対角線の本数の求め方がわかる
・対頂角を理解しており、等しい角度を指摘できる・錯角、同位角について、対応する角度を指摘できる
・三角形・長方形・正方形・ひし形・台形の面積の公式を覚えており、利用できる・正方形は2通りの面積の求め方がわかる
・それぞれの公式がなぜ成り立つかを説明できる
・円およびおうぎ形の周りの長さ、面積の公式を覚えており、利用できる
…※特におうぎ形の公式(×中心角/360の部分)がなぜ成り立つを説明できる?
・立方体・直方体の体積が求められる・柱体と錐体を説明でき、図形の名称が的確に答えられる
・柱体と錐体それぞれの体積が求められる

小学校の学習内容の多くは、幾何の範囲でおさらいをしてから、より深い内容へと学習を進めるので、上記内容がしっかりと頭に入っていれば、幾何の学習の準備としては十分です。上記の考え方や公式などはスラスラと言える状態にして、幾何の学習をスタートできるようにしましょう。

正確な図形が書けるように、丁寧に作図することを習慣にしよう!

今回のテーマとしては、いわゆる問題としての作図を取り上げたいのですが、それは次回に譲り、今回は、幾何の学習を進める上でいかに丁寧に作図できることが重要かをお伝えしたいと思います。

多くの図形問題が苦手な生徒さんに共通することですが、

  • 勉強する際に自分で図形を全く描いていない。
  • 描いていたとしても、全く正確でない図形になっている。

ことが多いです。

日頃の学習から全ての問題の図形を丁寧にノートに作図しながら問題に取り組むように習慣づけましょう。(問題についている図形を利用しないようにしましょう。)

中学1、2年生の間は定規とコンパス(なんなら分度器)も利用して、正確に綺麗な図形を書けるようにトレーニングし、中学3年生になってからはフリーハンドで練習していくようにしましょう。

定規やコンパスを利用して、正確に図形を書くトレーニングをすることで、図形の性質を知らず知らずのうちに身体で覚えることができます。図形問題が得意な生徒さんは基本的には作図が非常に上手です。

一方で、試験本番ではコンパスや定規の持ち込みが禁止のケースも多いので、中学3年生になってからはフリーハンドで綺麗に図形が書けるように、以降は一切使わずにトレーニングしてください。これまで定規やコンパスを利用して丁寧に書く習慣を身につけてきた人にとっては、最初は違和感も大きいとは思いますが、図形の性質を捉えて書く癖が知らず知らずに染み付いているはずなので、フリーハンドになってもすぐに対応できるはずです。

今回は、幾何範囲の学習を始めるに当たって、前もって準備しておいてほしいことと、今後学習を進める上で習慣にしておいてほしいことをまとめてみました。現在幾何をすでにお勉強されている方もぜひ図形を正確に書けるようになる、ということはぜひ意識して学習に取り入れてみてください。確実に効果があります。