日本・海外を問わず、現在IB(国際バカロレア)の授業を受けている方の中で、「大学は日本に戻りたい」「日本の大学に通いたい」と考えている方も多いのではないかと思います。

IBの授業はどれも厳しくハードなものなので、せっかくのIB経験は受験の際、フルに活かしていきたいですよね!

しかし、【日本の大学のIB入試】と一括りにいっても、どのような制度なのか、どういった準備が必要なのか、すぐには分からないことも多いですよね。

そこで今回は以下の2点を軸に、国内大学進学の際に選択できるIB入試についてご紹介します!

国内のIB入試について
  • 現在の国内IB入試はどのようなものか
  • 受験の流れはどのようなものか

日本国内のIB入試とは?

日本国内においてIBのスコアは、基本的には【出願資格】としてのカテゴリーに入ります。

大学にもよるのですが、日本の大学では、「IB入試」という枠を用意しているというよりも、AO入試や帰国子女入試の資格としてIBのスコアを提出するケースがほとんどです。学校によっては、そこに追加で小論文の提出を求めたり、面接があったりもします。

まだ数は多いとは言えませんが、日本国内大学でもIB入試の制度を増やしていこう!という動きもあるので、IBを履修して、日本の大学進学にそのスコアを使いたいという人もこれからは少しずつ楽になるかもしれませんね。

IBを履修していたから大学受験に有利になる!と一概に言うことはできませんが、一般受験と比べて学科試験など免除される場合が多いことは事実です。IBの存在は日本国内でも広く認知され始めていますので、IBでそれなりの成績を修められていれば、IBスコアを武器に国内の難関大学を目指すことも可能です!

海外ではIBの単位を、科目とそのスコアによっては、大学の単位として認めるケースもあります。日本ではまだここまでのシステムはありませんが、IBでやった科目の知識(特にHL科目)は大学に入ってからも役に立つので、しっかりと現役の時に頑張っておきましょう!

とはいえ、ハイレベルなカリキュラムで知られるIBにて好成績を収めるのは簡単なことではありません。学校の先生と相性が悪い、授業だけではついていけないなど、様々なお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないかと思います。弊社TCK Workshopでは、指導経験豊富な講師陣が、皆さまのIB対策から大学選びまでしっかりとサポートさせていただきます。まずは無料学習相談から、是非お気軽にお問い合わせください!

IB入試の流れ

ここからはIB入試の流れや、必要になってくるであろう書類や追加の資格の紹介をしていきます!

※ここで紹介するのは基本的な、ベーシックな情報です。入試に必要なものは、大学ごとで変わってくるので、必ず各大学の最新の入試情報や募集要項をチェックするようにしてください!

IBのスコアを使って受験がしたい!という生徒は、基本的にはAO入試、もしくは帰国子女入試の枠で受験する形になることが多いです。

これもまた大学によりますが、IBの成績などの書類提出(成績証明や卒業証明など)の他に別途で語学資格試験(TOEFL iBT/IELTSなど)の成績を提出しなければならないケースもあります。学校によってはIBにてEnglish Aを履修し一定以上の成績を修めている場合にはこれらの語学試験が免除される場合もありますので、募集要項を確認してみてください。

志望校や気になっている大学があれば、しっかりと募集要項などを確認した上で、早めに各種試験を受けておくことをオススメします!

また、推薦状(letter of recommendation)が必要な大学もあり、その際には元いた高校の先生に頼まなくてはいけないので、これも早めの確認が必要になってきます。

書類の他に、面接・インタビューが二次審査として設けられている場合もあります。IB入試で受験をしているのなら、IBDPの2年間で苦労したことCASの活動EEの内容など、自分のやってきた勉強について話してくださいと言われることもあります。

IBの試験を終え開放感に浸りたい気持ちは山々ですが、大学進学先が決まるまではまだ気を抜かず、面接で聞かれて「あれっ、どんな勉強してたっけ……?」と忘れてしまうことがないように、詳しく、分かりやすく説明できる練習を必ずしておくのがおすすめです!

例:国際基督教大学教養学部 2022年度入学試験要項 総合型選抜

ここでひとつ具体例を挙げながら、IB入試を紹介したいと思います。

2022年度の国際基督教大学の教養学部のIB認定校対象の募集要項です。

まず最初に、出願資格は以下のように明記されています。

国際基督教大学の出願資格
  • 本学を第1志望とし、本学への入学を強く望む者。合格した場合は本学へ入学することを確約できる者。
  • 2019年4月1日から2022年3月31日までに、国際バカロレアディプロマ(IB Diploma)取得(見込み)の者。
  • 国際バカロレアディプロマ・プログラムにおいて「日本語A」(HL・SL いずれか)を履修済み(または履修中)であること。
  • これまでに総合型選抜(2020年度以前の名称:ICU 特別入学選考(AO 入試)に出願していない者。

IBの試験自体は、日本語で受ける日本語DPと英語で受ける英語DPのどちらでも大丈夫なのですが、「日本語A」を履修していないといけない、という出願資格が設定されています。このように、学校によってはIBで履修した・履修中の科目を出願資格として指定してくるケースもあるので、きちんと確認しておく必要がありますね!

日本の高等学校を卒業(見込み)の方は「高等学校調査書(厳封)」、そして外国の学校またはインターナショナルスクールを卒業(見込み)の方は、「学業成績証明書(厳封)」を提出しなければなりません。

さらに、ICUでは下記の書類の提出が求められています。

国際基督教大学 必要な書類
  • IB Diploma Final GradesまたはPredicted Grades
  • 推薦状2通
    • IBコーディネーター・担任・またはそれに準ずる学校関係者 1通
    • その他(親族・本学専任教職員以外) 1通
  • EEの内容と成果(見込み)の要約
  • 学校内外における自己活動と自己分析
    • 「IBの使命や学習者像を実現するために、高等学校在学中に、どのようにCAS(創造性・活動・奉仕) に取り組んだか、また、それによって自分の資質をどのように評価することになったかを、的確に分析 し 800 字以内で述べてください」
  • 英語の能力を証明する書類
    • IELTS・TOEFL iBT・英検・Cambridge English Qualifications・GTEC
    • IBDPにおいて「英語A (English A Literature / Language and Literature)」を履修済、履修中の者の提出は任意

これは一つの例ですが、このように提出しなくてはならないがたくさんある学校は、一つひとつ丁寧に確認をして、提出漏れがないように気をつけていきたいですね。特に、学校からの推薦状など、海外の高校に通っていた方などは郵送にも時間がかかりますので、提出までに余裕をもって準備しておくようにしましょう!

海外の高校に通っていた方は、是非、こちらの記事も合せてお読みいただければと思います。

他にも、大学によって必要な書類や資格などさまざまです。混乱しないように、情報を分かりやすく整理して一箇所にまとめておくのもオススメです!

まとめ

国内入試ってどんなもの?
  • 「IB入試」が用意されているというよりも、AO入試・帰国生入試としてIBの成績を提出するという場合が多い
  • 学校によっては面接・小論文などその他試験が課されることもあるが、全般、一般入試や他の帰国生入試に比べて筆記試験などを免除される場合が多い傾向にある
  • 履修していなければならないIB科目・提出書類など、学校によって出願資格や提出書類は様々時間に余裕をもって、募集要項にしっかり目を通しておこう

国内のIB入試を受験システムに取り入れている大学はまだ数としては少ないですが、IBDPのカリキュラムを受けたのなら、その経験を最大限に活かして大学受験に臨みたいですよね

IB入試でも多く行われている面接試験については、是非こちらの記事をご覧ください。

もちろん、入試でIBの取得資格を提出するのなら、IBのFinal Scoreも重視されます。IBDPのカリキュラム全般に関する不安や、受験対策に対する不安をお抱えの方も多いのではないかと思います。TCK  Workshopでは、IB対策や受験対策も含めたオンライン個別指導を行なっており、日本語・英語でのサポートが可能な講師が多く在籍しています。

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