IB Mathの『Internal Assessment(IA)』ですが、これで頭を悩ませる生徒は非常に多いです。そもそも答えのない物で自由度がある代わりに何について書けばよいかわからないと迷子になってしまうケースをよく見かけます。

成績という点からみれば、IAは『全体の20%』を占めます。確かに決し馬鹿にはできません。でも「あんだけウジウジ悩んだり時間をかけけて調べたり、夜な夜な頑張って書き上げても、たった20%か。」とも思ってしまいます。

待てよ。そもそも、力のかけ方を間違えているんじゃないか???

と思う訳です。

「20%の成績ならばDPの2年間の20%の時間以上かけてはだめ」という風に解釈してもいいはず。IAについて色々オフィシャルのサイトから過去の生徒達などからも話を聞いて、やはりIAで好成績を納めた人達からは共通の解答が返ってくるので、それを今回はお伝えしようと思います。

IAは大学の勉強の練習

そう、IAは人生の集大成でもないし、IBの中で最重要なパーツでもありません。大学で言う卒業論文のようなもの、と説明される場合もあります。が、あまりにも温度感も求められていることも違います。

将来大学で書くかもしれない「論文」と言われるものを高校生のうちに経験してみよう、という程度のものです。論文の練習。基本的にやることは一緒で、トピックを決めて、リサーチをして、何かしらの結論を出すわけですが、個々で求められているのはAcademic Honestyというもの。

つまり、小学生や中学生が書くような作文や自分の意見や発見はこうだいったことではなく、学術的根拠、信憑性が備わっているか、を示しながら書くという点がこのIAで経験できることとして最大の意義だと個人的には思っています。

これを高校生で経験することで、大学での論文もある程度素養がある状態で始められる。物凄いアドバンテージじゃないか!と思います。社会に出ても必要な非常に大事なスキルでもありますので。

さて、IAでしっかりとスコア出すには主に以下のようなことが大事だと言われています。

  • 自分の興味関心があるものをトピックとして選ぶ
  • Criterion(評価)をとにかく意識すること
  • 時間に余裕をもって取り組むこと

その通りです。

で、何が問題かと言うと、トピック選びなんです。

IAのテーマは「使うことができる数学」から

「興味関心があるもの」を選ぶと誰もが言います。勿論、私も興味関心があるものを選ぶのが良いと言います。が、これがぐるぐるっと回ってどのように多くの生徒達に伝わっているのかというと

  • 他人とは違う何か個性のあるオモシロイトピックでないとだめだと思っている
  • 関心が強ければ何でもよい。政治や環境問題など、抽象的なものなどから選ぶ
  • 「もしこれが○○だったら…?」のような空想を語る

上のような状況はほぼ間違いなく迷子になります。確かに考える分にはオモシロイですし、個人個人の興味関心は色々なものがあり無限ともいえるテーマが存在しているように思ってしまいます。これが最大の陥りがちな罠です。

IBの評価にも書いてあるのですが、Math IAで最も重要な事は「数学を用いて身の回りの事を説明や分析や実証などをしてみよう」ということなんです。

ここでいう「数学」は自分たちが習った範囲での数学です。自分たちが扱える範囲内での数学です。いきなりテーマから入ってしまうと、そもそもその背景にある数学が大学数学や専門的過ぎてしまうことなんてよくあることなんです。

テーマが膨大過ぎたり、使う数学が高度過ぎたり、そもそも「数学でどうやって考えるんだ???」なんてなってしまうトピックはアウトなわけです。だってどうがんばっても書けないんですから。

やってはいけないトピックの選び方
  • スクランブル交差点を歩く人たちの動きをモデル化
    • 統計?幾何学解析?どんな数理モデルを使うのかさえ素人にはわからない。難し過ぎる。
  • 100年後の地球の人口はどうなっているか??
    • いやいや、どうやって予測するんだ。そんなことできたらむしろニュースになるぞ。

というように、一見テーマは興味そそるようなものですが、これをトピックに選んでしまっては書きたくても書けないんです。

「じゃあ、トピックはどう選べばいいんだよ?」となるわけですが、賢い子もしくはIAを理解している子達は「使う数学」から決めているんです。「僕は二次関数をつかった何かにしよう」ここから自分の興味関心に繋げるんです。

良いトピックの選び方
  • 例えば、好きな数学・使う数学が「二次関数(Quadratic function)」だった場合
    1. 建築様式に用いられる構造で二次関数はどのように用いられるのか?
    2. 虹は二次関数なのか?

など…

何でもいいんですが、これだと少なくともオチが解っているわけです。二次関数を用いてモデル化出来るかどうか、っていう話ですから。

結局、自分たちが知っている数学が実社会でどのように使われているのか、応用できるのかを見たいわけですから、トピック選びは「数学」から入るべきなんです。これがわかっただけでもスッキリする人たちは大勢いると思います。そこだけクリアできればあとは所定の書き方や進め方で淡々と進められるはずです。

IAでは世界を変えるほどの大発見をしろ、などは毛頭求められていません。研究者達が書くような論文を求められていません。学術論文の練習として、基本所作を経験しているだけですので、もっともっと気軽に取り組んで自分の経験値として積み上げましょう