帰国子女受験で国内大学の文系学部を志望する生徒様にとって立ちはだかるのが小論文対策

多くの高校生にとって、あまり馴染みのない小論文試験。海外生活の長い生徒さんが、日本語での学びにきちんとついていけるかという能力を確認する意味合いも含まれており、帰国子女受験においては重要度合いの高い試験と考えられます。

大学によって求められる小論文試験の形式や評価基準も異なりますが、今回は小論文対策をこれから始めようとしているみなさんにとって共通して知っておいて欲しい意識の持ち方や学習法をお伝えしていきたいと思います。

もちろん学習法に「正解」はありません。たくさんある「攻略法」の中から自分にとっての「正解」を見つけ出してもらうことが重要で、本記事がその一つのきっかけになってくれれば幸いです。

小論文が苦手な3つの理由

小論文が苦手、または苦手意識があるという場合、その「苦手」の原因は大きく3種類に分けられるます。

小論文が苦手な理由
  1. 基本的な読解力が欠けている
  2. テーマに関する知識がない
  3. そもそも小論文の書き方を知らない

以上の3点で、自分自身がどの理由に当てはまるのか、あるいは理由の複数に当てはまるのか、現状を把握することで、どのような対策をすべきかも明確になっていきます。どんな対策でも、正確な現状把握が第一歩です。まずは自分がどこに該当するか確認していきましょう

理由① 基本的な読解力が欠けている

海外での生活が長くなればなるほど、それに比例して日本語の文章に触れる機会は少なくなります。ご家庭で日本語のコミュニケーションが問題なく取れていたとしても、コミュニケーションに必要とされる言語レベルと学術的な言語レベルの間には大きな隔たりがあります

問題なくコミュニケーションが取れているからと安心していると、いざ小論文対策となった時に書いてある文章の意味がわからない、ということにもなりかねないので、一定レベルの日本語の読解力が備わっているかどうかは定期的に観測しておく必要があります

目安になるのは、新聞やネットニュースレベルの日本語です。これらの日本語は文章も短く、論理展開も容易なものが多いので、新聞などに記載されいている漢字や語彙が難しいとなると、小論文を書くハードルも高いということになってしまいます。

海外滞在中は日本語の文章に触れる機会が少ないとはいえ、インターネットの普及している今、取れる対策は多々あります。日本語での定期的な読書週間はハードルが高くても、ご家族で共通の記事を読み、それを元に話してみる、くらいからでも、(そうと意識させないように)継続してみるだけでも、長期的な効果は見込めるでしょう

理由② テーマに関する知識がない

小論文の課題に取り組んでいると、「本文は大方理解した。だけど何を書けばいいかわからない。書くべきアイデアが思いつかない。」という事態に直面する時があります。

もちろん様々なトピックに対して、自分なりの意見やアイデアをさっと述べるというのは大人でも容易なことではありません。完璧を目指そうとすると非常に難易度の高い部分ではありますが、小論文対策には、頻出テーマに関する知識やそれに対する賛否両側面のアイデアを蓄積しておくことが必要です。(繰り返しますが、完璧を目指す必要はありません。)

特に自分が出願したい学部に関する基礎知識や、帰国子女受験でよく問われるようなトピックについての背景知識などは努力して獲得できるものなので、怠るべきではありません。

事実に基づく具体例や一般的な主張を理解しておくことで、説得力のある文章を書くことができるようになるので、日頃から頻出テーマや時事問題などに興味をもち、情報収拾を行い、自分なりの「ネタ帳」を作ることを習慣にしていきましょう。

理由③ 小論文の書き方を知らない

最後によくあるのが、「本文理解も、書いてある内容も良い」のに、小論文になっていない、というケースです。

小論文は、問題で設定された(あるいは自ら設定した)論を展開することが求められます。自分の好き勝手に自分の考えを書いて良いというわけではありません。書いてあることは至極真っ当なことだとしても、そもそも要求されていることからずれていれば点数にはなりません

また大学受験レベルの小論文は字数も限られているので、ある程度構成も似たようなものになってきます。問題文や設問によって論点は制限され、字数制限によってフレームも制限される、というこの仕組みを理解して書けているかどうかで大きく小論文の出来は変わってきます。

上記の点さえ守れれば、小論文らしくなり、あとはアイデアの独創性だったり、論点の深め方を意識していくことでどんどん良い小論文になっていきます。逆に言えば、最低限の小論文は書き方さえ守れば誰でもかけるようになるので、苦手意識を持っている人も、諦めずに学びを継続していきましょう。具体的な小論文の構成については、以下の記事をご覧ください!

まとめ

小論文苦手克服のポイント
  • 新聞やニュースなどで基本的な日本語の語彙力・文章力を上げる
  • 時事問題や頻出テーマに対する知識を蓄積しておく
  • 小論文の「型」を知る

今回は、小論文が苦手な生徒さんによく見られる理由を3つまとめてみました。「自分はこんなところに苦手意識がある……」、などあれば、是非教えていただけると嬉しいです!

苦手の理由を踏まえてどのように勉強を進めていくべきか、各項目の関連記事も是非合わせてお読みください。

小論文学習は大学以降の学びにも活かせることの多い分野です。皆様が大学受験小論文を通して、実り多い学びができることを祈っております。

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