前回の記事では小論文が苦手な生徒さんがどのような部分でつまづくかを整理してみました。

ダイエットをする時も現状の体重や食習慣、生活習慣を見直さないことには、より良い対策が取れないのと同様に、何をするにもまずは現状把握と適切な対策を考えるところからです。

自分自身がどんなことを苦手に感じているのか、まずは自分自身の「現在地」をしっかりと把握するところからスタートしましょう。

今回は実際に帰国子女入試でどのような出題があるのかをみていきたいと思います。とはいえ、あくまで一般的な話にすぎません。

国公立大学や早稲田大学などの難関私立大学では過去問が公開されており、傾向の把握や対策も行いやすいので、自分の受験校の過去問がないかどうかを確認してみてください。

それでは早速、本題に進みましょう。

実際に出題される小論文試験とはどんなもの…? 

小論文には大きく分けて3つのタイプがあります。違いがわかりやすい3校の過去問をピックアップしてきましたので、是非実際の問題をみてみてください。

小論文の出題パターン
  1. テーマ型
  2. 課題分型(文章読解+小論文)
  3. 資料読み取り型

タイプ① テーマ型

東京大学の過去問をみてみてください。

学部に即したトピックについて、簡単な導入があり、自らの経験や、賛成反対を命じていくテーマ型の問題です。

読解資料のない小論文の方が簡単だと思われるかもしれませんが、読解資料がある方がその分、自分自身にアイデアや意見を考える際のきっかけやヒントになることもあるので、実は取り組みやすかったりもします。

東京大学の問題は「テーマ型」にあえて分類しましたが、それでも小論文の書くべき方向性が、設問によって絞り込まれていきます。「グローバリゼーションの是非について述べよ。」「哲学をするとはどういうことか。」といったような単文での出題の可能性がある場合は、自分自身の主張と議論の方向性を定めるところスタートしていきましょう

タイプ② 課題文型(文章読解+小論文)

京都大学の過去問をみてみてください。

日本の大学受験のように文章資料が与えられ、まずは資料の正確な理解が求められます

問題もいきなり小論文問題というよりは、前半部分では内容説明や理由説明、要約を求められ、後半で自らの意見を論じる問題に移行していくケースが多いです。(上記で紹介した京都大学もそうですね。)

こういったケースの場合、前半部分の内容説明や理由説明の問題は自由に論じて良いものではなく、本文に即して回答する必要があり、いわゆる日本の大学受験現代文のテクニックが活きてきます

余談ですが、国語や現代文のテストは得点が安定しなくて、、とご相談を受けることがあります。そんな時はいつも「普段どのように問題をといていますか?」と聞きます。

いわゆるテクニックのような話になってしまいますが(筆者個人としてはあまり好きではないのですが)、「解き方」を定めない限りは、自分の答案作成のプロセスが良いのかどうかの振り返りもできず、いつまでたってもその場しのぎの答案しか作れません。

「〜どういうことか」と問われる「内容説明」の問題は、傍線部全体を把握し、主語述語は何かを把握し、・・・と私は毎回同じステップで取り組みます。そうすると自分の答案と模範解答を比較した時に、何が足りていないか、どこの思考ステップが不十分だったかを振り返りやすく、結果的に次、問題がかわっても答案作成に活かすことのできる学習になります。

話が大きくそれましたが、小論文課題で前半部分に本文内容に関わる出題がある場合も、「自分の解き方を定める」ことを意識し、次回に活かす学習を心がけるようにしてください。

後半部分の自らの意見を論じるパートに気持ちよく進むためにも、前半パートはウォーミングアップとしてクリアできるように準備しておきましょう。

タイプ③ 資料読み取り型

早稲田大学の過去問(小論文A)をみてみてください。

生徒同士の会話文や様々な図表とともに出題されていることがわかると思います。基本的な考え方は課題文型の小論文と大きくは異なりません。課題分が資料にかわっただけなので、資料からのメッセージを読み取り、それに対して自らの論を展開していく必要があります

資料読み取り型の小論文だと長々と資料の解説をしてしまう小論文をよく見かけますが、求められているのは、資料の伝えたい内容を読み取ることです。

また複数の資料が提示される場合には、なぜそれらを同時に提示してきたのが関係性を理解していることを小論文の中で展開するべきでしょう。

ずっと文章が続く課題文型よりも、図表の読み取りの方が親しみやすい、という帰国生も多いですが、意外と落とし穴にはまっているケースも多いように思いますので、ぜひ上記の点、注意してみてください。

まとめ

さて今回は、帰国子女入試でよく出題される小論文のパターンを3つ紹介しました。自分の受験する大学がどのパターンなのか、ぜひ調べてみて、受験校に合わせて準備をしていきましょう。

出題パターンによる対策
  • テーマ型:自分自身の主張と議論の方向性を定めるところスタートしよう
  • 課題分型(文章読解+小論文):本文に即して回答する必要があるので、日本の大学受験現代文のテクニックを習得・使用しよう
  • 資料読み取り型:課題分が資料にかわっただけ!資料からのメッセージを読み取り、それに対する自らの論を展開していこう

次回はより具体的にどのように小論文の学習をすべきかについてお話ししていきたいと思います。

小論文学習は大学以降の学びにも活かせることの多い学習です。皆様が大学受験小論文を通して、実り多い学びができることを祈っております。

小論文学習にお悩みの方は、是非弊社講師陣にお任せください。