はじめに

帰国子女高校受験生に人気のある慶應義塾湘南藤沢(SFC)高等部ですが、従来の入試では数学は一般入試と同じ問題が課されていたため、一般生徒と同じようにハイレベルな問題を解く能力が必要となります。

慶應義塾湘南藤沢(SFC)高等部 2011年の問題構成はこのようになっています。

大問1大問2大問3大問4大問5大問6
計算問題
4問
小問集合3問関数と図形
小問3題
平面図形小問4題確率
小問3題
立体図形 小問3題

SFCの問題は図形問題が非常に多く、関数の問題も結局図形問題であり、小問集合も合わせれば多いときには実に60%は図形問題となることもありました。

そんな慶應義塾湘南藤沢(SFC)高等部ですが、2022年入試から入試が変わります。

  • 数学は60分から45分へと時間が短縮されるということで、問題数が少なくなるのか…?

まだ前例がないわけですから対策に頭を悩まされているかたも多くいらっしゃるかと思います。

まず、安全策としてはこれまで同等の対策をしておくべきとするのが無難です。これまでの過去問題を演習することで十分に入試内容の変化に対応できることでしょう。

今回は慶應義塾湘南藤沢(SFC)高等部 帰国生入試 2011年の過去問から問題をピックアップして解説をしていきます。

慶應義塾湘南藤沢(SFC)高等部 帰国生入試 2011年 数学 大問2(2)解説

数論の問題はとにかくまずは手を動かす

数の問題については頭でじっと考えていてもよくわからない、ってなる問題が多いです。

まずは手を動かして具体的な例を探してみることからやってみましょう。1つ2つと条件を満たす具体例が見つかればそこから規則性が見つかったりします。

当てずっぽうな考え方で数学らしくないなぁ、と思うかもしれませんが、実はこの「具体例を見つけて規則性を見つけてみる」というものは数学的思考の中でも超重要な考え方のうちの一つです。

数学が得意な子達は皆具体的な例などを通して観察を通して洞察していく、ということを習慣的に行っています。

書かなければわからない。

書けばわかる。

計算ミスをするリスクを取らない

場合の数などで組み合わせを数えるときの基本的な考え方は「速く正確に数える方法は何だろう…」です。そのためにすべきことは、

  1. とにかく書きだす
  2. 表や絵で表す
  3. ランダムに数字を並べるのではなく、小さい順に試していく
  4. 2つの事象が裏と表のような関係であれば少ない方を数える

などが挙げられます。

今回は、特に9個を足し残して68と考えるよりは残った3つが10になる、と考えることで圧倒的に数える手間が省けます。手間が省けるということはそれだけ計算ミスをするリスクが減るという事です。

とにかく、計算工程を最小限に抑えることで計算ミスをする場面を物理的に減らしていく。これがそもそもミスをしない重要なコツなのです。

よくわからないときは全部書き出す!

ただし、「何か上手いやり方は無いのだろうか…」と楽をしようとして結局手を動かさずに問題を解かない、なんて生徒にしょっちゅう出会います。そんなことをするならば真っ向勝負で全て書きだすくらいの根性は見せましょう。

書けば答えが出るのだから…結局地道で合ったり非効率的なやり方をやってこそその中で「上手いやり方」が見えてくるので、手を動かさないでいきなり上手いやり方なんて相当の経験値がないとすぐには出てこないのが普通です。

まずは答えを出す。

出そうとしてみる。

これ無しには一向にこういった種類の問題には強くなれません。

帰国生入試の数学は一般入試と一緒

多くの学校では数学の問題は一般入試と同じ問題となります。

過去問題の対策はもちろん重要ですが、同レベルの高校などの過去問題などを利用することでより多く演習を重ねることが可能になります。

傾向分析や過去問題演習は是非第三者の協力を活用しましょう。