東邦大学付属東邦中学は、千葉県習志野市に所在する共学の中高一貫校。東邦大学の付属校です。

創立より理工科系の進学に力を入れている学校であり、東邦大学医学部への推薦枠もあります。「自然・生命・人間」を建学の理念とし、プロセス重視の学習で6年間の自分探しの旅を通じて、社会に貢献する人間を育てます。

学校の雰囲気は落ち着いていて、広く充実した学校施設を利用し、のびのびと学ぶ学生たちの多くは医学部や理系を目指し進学していきます。

帰国生受験は4月入学のほか、7月と3月にも編入試験が行われます。編入の出願資格では、「原則入学に合わせて日本に帰国するもの」とされています。

東邦大東邦の学校情報

学校名東邦大学付属東邦中学・高等学校
住所千葉県習志野市泉町2-1-37
HPhttps://www.tohojh.toho-u.ac.jp/ 
対象中学1年生〜高校3年生
カリキュラム週5日制/週34単位時間/50分授業/3学期制
アクセスJR総武線津田沼駅より京成バスで20分
京成電鉄京成大久保駅より徒歩15分

東邦大東邦中学 帰国生入試の受験情報(2020年度)

帰国生受験では、海外での就学期間が2年以上、あるいは海外での就学期間が1年以上で帰国後3年以内であること、が条件です。海外在住時に就学していた学校の種類は問われません。ですので、現地校・インター・日本人学校のいずれの学校からでも受験が可能です。試験は英語選択型となり、国語・算数・英語の3教科です。面接はありません。

各試験科目に関してですが、

国語:さまざまな文章を通して、漢字や言葉に関する知識と、文章の 展開に沿って筆者の主張や作品の主題を読み取る力をみます。

算数:小学校で学習する算数の各分野における基礎学力の定着度と応用力をみます。これらに基づいた数理的考察力もみます。

英語:基礎学力の定着度とその応用力を、長文読解問題などで総合的にみます。リスニング問題はありません。

基本条件・2008年4月2日~2009年4月1日の間に生年月日があり、下記の2つのいずれかの条件を満たし、かつ帰国生条件①~③のいずれかを満たすこと。
①2021年3月小学校卒業見込みの者
②海外の学校に在籍する者
帰国生条件①海外での就学期間が2年以上ある者
②海外での就学期間が1年以上で次のいずれかの条件を満たす者
 ・海外の学校に在籍していること
 ・国内の小学校に在籍し,帰国後3年以内であること
③その他本校が受験資格を認める者
募集定員男女若干名
出願期間11月中旬
入試日時12月初め
入試方式国語・算数・英語(各45分/各100点)

東邦大東邦中学・高校 帰国生編入試験情報

中学新2年生、3年生と、高校新2年生は若干名の募集があります。どちらも海外在留期間1年以上、かつ入学に合わせて日本帰国する者を対象としています。

国語:さまざまな文章を通して,漢字や言葉に関する知識と、文章の 展開に沿って筆者の主張や作品の主題を読み取る力をみます。

算数:小学校で学習する算数の各分野における基礎学力の定着度と応用力をみます。これらに基づいた数理的考察力もみます。

英語:基礎学力の定着度とその応用力を、長文読解問題などで総合的にみます。リスニング問題はありません。

基本条件次の①~④の条件を満たしている者
①学齢に相当すること
②海外在留期間が1年以上あること
③海外の現地校・日本人学校・インターナショナルスクール等に在籍し、原則として、入学の時期に合わせて日本等に在籍し、原則として、入学の時期に合わせて日本に帰国する者
④編入学試験に合格した際には、所定の手続きを経て、強く入学を希望する者
募集定員男女若干名
出願期間2月中旬
入試日時3月上旬
入試方式国語・算数・英語+面接

東邦大東邦中学・高校のポイント

東邦大学付属東邦中学・高等学校の特色は、「自主的・能動的な学び/幅広い学習で可能性の開拓」です。中・高の6年間で、生徒ひとりひとりが自己の可能性の開拓に向かって学校生活を主体的に送るためのプログラム「自分探し学習(EXPLORING STUDY)」があります。

主要教科の全学習範囲を高校3年1学期までに修了する、東邦型早期完習学習です。高校2年からは進路を意識した学習へ集中していきます。

自分探しの学習

東邦の特徴といえば、この自分探しの学習自分探しの学習です!教室で、実験室で、時には学校を離れて様々なプログラムによって生徒の可能性を広げる学習が用意されています。

科目説明
社会社会科博士号:夏休みを利用し歴史・地理・公民の発展課題に取り組み、優秀作品は「◯◯博士号」として学年毎に表彰されます。
英語スピーチコンテスト、夏休み課題の英文絵日記など英語で表現する学習機会があります。
国語読書マラソンとして、読書した本のあらすじや感想をノートに記録していきます。
数学希望者を対象に、演習プリントを毎日自宅学習し数学研修室へ提出するという数学トレーニングマラソンを実施しています。
理科中高合わせて7つの理科実験室を持ち、充実した理科の実験授業を行います。理系に強い東邦と言われる設備と学習の機会が揃っています。

高校の自分探し学習では、総合的学習として40以上の研究テーマから1つを選びレポート作成を行います。大学の研究テーマに取り組むような方法で、先生とのやり取りを繰り返しながら2年間をかけて高校2年の終わりに完成させます。大学のゼミ学習のようですね。

また東京探見として、都内の文学スポットを国語の先生の解説を聴きながら散策します。テレビでも取り上げられたユニークな学習です。

大学付属校としての特色!学問体験講座

東邦大学理学部理学部・薬学部または他大学と連携し、学問体験講座は年3回開催されます。実験、講演共に東邦で学ぶ中高生にとって大学教授らから直接学ぶことのできる、貴重な機会ですね。進学した際に具体的に学びたいこと、将来の職業を考える上でとても魅力的な講座です。

実験型の講座のテーマ例
  • 「ハーシー・チェイスの実験」
  • 「マイナス270℃の世界と超伝導現象を体験しよう」
  • 「ロボットを作ってみよう-ロボット製作とプログラミング-」
  • 「ブラックジャックセミナー」

講演型の講座では、各大学の教授を招き講演を行います。社会や医学、ビジネス、ジブリから学ぶ社会や歴史などユニークなトピックスの講演を聞くことができます。

講演型講座のトピック一覧
  • 早稲田大学 周藤真也先生の「格差社会をどのように捉えるか」
  • 東京工業大学 轟章先生の「ロボットから航空宇宙まで」
  • 慶應義塾大学 阿部芳廣先生の「薬学で学ぶ・薬学を学ぶ」
  • 清泉女子大学 大杉正明先生の「広告・看板の英語」
  • 一橋大学 渡辺雅男先生の「千と千尋の社会科学~宮崎アニメに隠された驚愕のメッセージ」
  • 筑波大学 加藤衛拡先生の「もののけ姫の時代とその後」

東邦型早期完習学習

中学1年〜高校1年の間は幅広い教養、強固な土台を作るために、多くの実験や体験学習を交えてじっくりと学んでいきます。高校2年から文系・理系に分かれ、将来の夢を実現させるために必要な科目の深化を進めていきます。

主要教科の全学習範囲を高校3年1学期までに修了する、東邦型早期完習学習です。高校2年からは進路を意識した学習へ集中していきます。

夏期講習と課外補習の基本的なフォローアップ体制があり、中学2年以降から夏季補講、高校1年以降は冬季補講が行われます。高校1年〜3年の特別課外授業では希望者を対象に英数国理地歴公民の11講座、高校3年の入試直前講座などが実施されます。

英語教育

英語力の高い帰国生に対しては、英語の取り出し授業が実施されています。英語力を衰えさせないための措置として、例外的に特別英語クラスが設置されるようです。英語授業のうち週に1単位の英語教員とネイティブスピーカーの教員によるクラスがあります。

英語教育については、帰国生受験を実施している他校と比較すると物足りなさがあるかもしれません。しかし理系に進みたい学生さんにとっては、英語取り出し授業を受けながらも、理系の学習に力を入れられる点は嬉しいですね。

国際理解学習

3種類の海外研修や、オーストラリアの姉妹校との交流、ハーバード大学の学生を前ていてのアクティブラーニング(SLICE)など多様なプログラムがあります。

海外研修
  • オーストラリア研修(クロスカルチャー)
    中学3年の希望者を対象に、夏休みのオーストラリア2週間ホームステイ。現地語学学校での学習と異文化体験。
  • オーストラリア研修(サイエンス)
    高校生の希望者を対象に、夏休みオーストラリア12日間、自然環境と保護について学ぶ。
  • シンガポール研修
    中学3年と高校1年から選抜された学生を対象に、春休みの10日間、現地の学校で英語で学ぶイマージョン体験プログラム。
  • SLICE
    東邦にいながら世界の様々な知識を得たり、異文化体験をする「世界を巡る旅」のプログラム。海外研修に参加せずとも、学校で多様な経験ができる。

学校設備

広い芝生のメイングラウンドをはじめ、陸上トラック、テニスココート、野球場、ハンドボールコートなど屋外のスポーツエリアが充実しています。

2つの体育館、温水プール、400名収容の多目的ホール、450名収容の視聴覚ホール、蔵書8万冊の図書館、1人1台のPCが利用できる外国語学習の教室、7つの化学実験室など、屋内施設も充実しています。

構内に宿泊可能な研修施設や、天体観測室があることは東邦の特色と言えるでしょう。

カフェテリア/通学

お昼と放課後にはカフェテリアが利用できます。放課後は自習室としても使われています。カフェテリアではパンや弁当を購入することもできます。

通学はJR総武線津田沼駅からバスで20分、京成電鉄京成大久保駅より徒歩15分です。バスは3〜5分おきに運行していますので、乗り遅れるような心配はなさそうですね。

卒業生の進路は?

東邦では伝統的に約7割の学生が理系の大学を志望します。理系の中では歯科薬系への進学志望者が多く、毎年多くの合格者を輩出しています。男女別では、女子の7割が理系を目指しているのは東邦の特徴と言えるでしょう。

進路講話は中学1年から、進路ガイダンスは中2から始まります。校外の実力テストは中学では年2回、高校では校外模試試験を年4回受験し実力を測ります。

2019年度の大学合格実績は、国公立大学129(現役83)、私立大学963(現役518)。

医学部への合格実績は合計91(現役29)、国公立大学15(現役5)、私立大学75(23)。北京大学への合格者も1名。

東邦大学への特別推薦枠での進学は、医学部15名、薬学部3名、看護学部5名、健康科学部1名、理化学各学科3〜5名ずつ(合計20名)になります。

求められる英語力は?

帰国生入試では、国語・英語・数学の3教科受験です。英語が得意な学生に向けても、この教科のみの受験方法になっています。英語の試験問題は英検2級程度の内容になっています。英検2級をしっかり余裕合格する実力があれば、英語での高得点を目指せそうですね。

合格に向けては日本の国語・算数の教科の学習をしっかり準備し得点することが大切になってきます。算数での得点が合否を分けるポイントです!

帰国から3年以内であれば帰国生受験の条件に当てはまります。海外経験について質問されるような面接がない分、3教科の学習に集中し受験できる点はメリットですね。

さいごに

東邦大東邦中学・高校のポイントをおさらいすると、

東邦大東邦中学・高校のポイント
  • 生徒の7割が理系を目指す、理系に強い学校
  • 大学付属校の推薦枠や、特別授業が魅力
  • 新中学2・3年、新高校2年での編入受験が可能