立命館宇治ってどんな学校?
立命館宇治中学校・高等学校は立命館学園の附属校の中でも特に国際性に特化したコースやカリキュラムを持った学校です。2009年には関西の一条校として初めてIB認定校に指定されました。
学校全体でも「育成すべき理想の人間像」として「IB Learner Profile (学習者像)」を採用し、教科書から学ぶだけではなく、様々な活動を通し「未来のグローバルリーダー育成」を教育目標にかかげ、国際教育に力を入れています。
本校ではよく「Diversity & Inclusion」という言葉を耳にします。生徒の2割は帰国生がしめ、また全国レベルの部活動で活躍する生徒がいたり、学生のうちに起業を考えたりと様々な個性を持った生徒が在籍しています。教員も多様性にとんでおり、多様性に富んだ教育を実現しています。
中学校のコースについて
中学校の具体的なコース展開は以下のようになります。
IPコース
高等学校のIBコースへ高度な接続をすることを目的に2021年度設置されました。数学・理科・社会・英語をIB教員から英語で学ぶため英検準1級レベルの集まりです。
一方で、その他の教科は日本語で受講し、日本語力を維持するとともに総合学習等で日本の伝統文化にも触れる機会も多く準備しています。1学年1クラス設置されており、帰国生が8割を占めます。
ICコース
ICコースでは、「読書力」「文章力」「英語力」「数学力」「情報力」といった5つのスタディスキルを育成し、高校からの学びに必要な基礎力を育てます。
一方で、ICTを活用したグループワークやディスカッション、独自科目であるTOK道徳やQUESTといった探求型の学習を通して、自らの強みを知り、またその強みで世の中にどう貢献できるかを考え、実践していきます。その他にもオーストラリア研修など、国際的なプログラムが準備されています。
高校のコースについて
高校の具体的なコース展開は以下のようになります。
IBコース
国際バカロレアディプロマプログラムに基づいたプログラムを実施しています。日本の高校の卒業資格も同時に取得できるカリキュラムになっています。授業は基本的に英語で実施。海外大学での学問研究にも耐えうる英語力、知力、探究力を育てます。
IMコース
1年間の留学を必須としており、3年間で高校を卒業します。留学後はイマージョン授業で留学で修得した英語力を維持・伸長させます。また、探究科目としてGlobal Leadership Studiesを開講しています。SDG‘s等とも関連させ現代で起こっている問題とリンクさせ課題解決に取り組みます。
IGコース
立命館大学の附属校であるメリットを最大限に生かしたコースです。2年生からは文理の枠を超えた科目選択が可能で、それぞれの興味関心に合う形で履修科目を選択していきます。英語は習熟度別に受講。一定の要件をみたせば模擬国連等の国際的なイベントにも参加できます。
高校のIBコースについて
立命館宇治高等学校IBコースは2009年に始まり、今年度が14年目となります。これまで多数の生徒を海外へ送り出してきました。まだまだ日本で普及していないIB教育への可能性を追求し、より充実した教育の提供を目的として、立命館は2021年9月にIB教育の拠点として校舎を新設し、すでに新しい環境での学びが始まっています。
現在、学年1クラスで運営しており、3学年合計で85名が在籍していますが、2023年度入試よりIBコース1学年2クラス化を想定し準備を進めています。
本校のIBコースの特徴は
- 優秀な教員によるIB理念に基づく教育の体現
- 国内外から集まった自律的な生徒
- IB教育のコアとして位置づけられているCAS活動の多様性
- 学校全体の活発な行事活動やクラブ活動への参加
- 海外大学への進学サポート
の5つに集約されます。インター校では無い日本の一条校として、IB教育と日本でしかできない教育の両軸を大切にしていくことを方針としています。
選択群 | 科目 |
Group 1 言語と文学 | Japanese A Literature SL/HL Japanese B SL/HL |
Group 2 外国語 | English A Language and Literature SL/HL English B SL/HL |
Group 3 個人と社会 | Business & Management SL/HL Economics SL/HL Global Politics SL/HL |
Group 4 自然科学 | Environmental Systems & Societies SL Biology HL Chemistry SL/HL Physics SL/HL |
Group 5 数学 | Math Analysis and Approaches SL/HL Applications and Interpretations SL |
Group 6 アート | Visual Arts SL/HL |
2021年度 IB DPスコア
2021年度のIB DPのFinalスコアの平均や分布は以下の通りです。
IB DP Final(Nov.) | |
合格率 | 100% |
平均スコア | 39.04 |
30点以上 | 95.23% |
35点以上 | 85.71% |
40点以上 | 57.14% |
IBコースにおける様々な取り組み
立命館宇治中学校・高等学校ではIBコースで様々な体験プログラムや取り組みが行われています。その例としていくつかのプログラムについて取り上げてご紹介いたします。
父島エコロジー体験(協力:小笠原海洋センター)
立命館宇治のIBコースでは例年グローバルチャレンジプログラム(GCP)として、海外の複数の高校生イベントに代表者を派遣していました。2020年度以降は海外渡航が制限される中、2021年度は高校2年生10名を小笠原諸島の父島に派遣し、ウミガメの保護活動を支援するボランティア活動を体験し、その活動を校内に還元しました。
IBコース「未来を担う若者 捉えた京都の伝統産業」京都伝統産業交流センター合同企画展
IB日本語科の取り組みとして、日本の文化に直接触れることを目的に、高校1年生と2年生の計54名が工房を訪問し、伝統工芸の作り手である職人にインタビューを行いました。西陣織、日本酒、京鹿子絞、京友禅、組紐、漆器、扇子、団扇、和傘、薫香、提灯、独楽、蝋燭など、京都の伝統工芸についてのポスター・ビデオなどを制作し、京都伝統産業交流センターで展示しました。
「城陽市イルミネーションプロジェクト」(光のページェントTWINKLE JOYO 2021)
CAS活動の一環として、高校 IB Visual Artを選択している3チーム14名が、城陽市が12月に実施している公園でのイルミネーション企画に応募し、作品を製作・展示しました。他の団体の作品とともに多数の来園者の目を楽しませることができました。
帰国生教育について
本校は、全体の生徒数の約2割程度が帰国生です。様々なバックグラウンドを持った生徒が多く、多様性に溢れた学校になります。
帰国生のためのサポートとして、中学校では帰国習熟授業を正課授業後の放課後に7時間目として実施しています。教科は国語、数学、理科、社会の4教科です。1日1教科の授業をしています。受講期間は原則最長1年間ですが、各定期試験に学力の定着を確認しその後の放課後授業への参加の有無を決定しています。
通常のクラスにおいても日本語が不慣れな生徒の為にルビを打つことなど生徒が理解しやすいようにサポートしています。高校では通常の授業時に別クラスで行う形で帰国習熟授業を実施しています。高校1年生の1年間のみの開講です。教科は国語、数学、社会です。
英語教育においては、習熟度別に授業の設定をしており、各々のレベルに合った内容の授業を受けることができます。
中学での4段階別授業
中学校では、A1・A2・A3・Regularと4段階の授業構成をしております。(以下日本人教員をJT、ネイティブ教員をNTと表記)
レベル | 内容 |
A1 | 地校で学んでいるレベル 授業数:NT週6回 |
A2 | 海外経験が豊富 海外の日本人学校や日本のインターナショナルスクールレベル 授業数:NT週4回、JT週2回 |
A3 | 英語学習に対して意欲があり、積極的に学習できる 授業数:NT週4回、JT週2回 |
Regular | 基礎英語をしっかりと学ぶ 授業数:NT(日本人教員とのTeam Teaching)週4回、JT週2回 |
高校での3段階別授業
高校では、上級・中上・Regularと3段階の授業構成です。
レベル | 内容 |
上級1 | 上級では、よりネイティブに近い高度な英語運用を学ぶ 授業数:NT週5回 |
上級2 | 上級2は高校1年時のみ開講(高校2年時からは上級1と統合) 2年時からの上級1へのキャッチアップを目指す 授業数:NT週3回、JT週2回 |
中上 | 発展的な英語を使え、より高度な英語技能の習得を目指す 授業数:NT週2回、JT週3回 |
Regular | 基礎英語をしっかりと学び発展的な英語を学ぶ 授業数:NT週2回、JT週3回 |
また、帰国生保護者会も企画しています。本校卒業生と保護者に来校頂き、在学中の心配事やその解決方法、進路選択の経験談などを共有頂くことで、在校生徒と保護者にとって学校のことを知る良い機会になっています。
本校は文科省よりWWLコンソーシアム構築支援事業の拠点学校に認定されたことより、国内外に本校連携校が15校あります。その連携校と共に、海外の生徒とプロジェクトを作ることや、国際会議を運営することもあります。
また、APU(立命館アジア太平洋大学)の国際学生と英語によるディスカッションイベントや、Model united Nations 模擬国連の主催もしており、日本国内にいながらも国際的な活動を多数実施しています。
国際入試について
本校には一般入試と国際入試があります。帰国生対象とした国際入試については以下になります。
中学校の入試について
中学受験ではA・B・IP方式という受験方法があります。希望コースや修学歴によって方式を選択します。
A方式
資格:①②のいずれかを満たす者
①日本における小学校6年間の課程のうち、海外現地校(日本人学校を除く)またはインターナショナルスクールにおいて3年以上履修したもの
②日本における小学4年生から6年生の3年間に相当する課程のうち、海外現地校(日本人学校を除く)またはインターナショナルスクールにおいて1年6カ月以上履修したもの
試験科目
小論文(日本語または英語)/80分、面接(保護者1名同伴)
入学後のコース
ICコース
特徴
比較的現地校での修学が長い帰国生向けの入試方式です。小論文の出題は日本語と英語で行い、解答は出願時に選択したいずれかの言語で行います。文章読解と小論文のパートがあります。小論文は日本語の場合600-800文字、英語の場合は300-500wordsです。面接は日本語で行います。この他に過去3年間の成績も要素に含まれ得点化されます。
B方式
資格
日本における小学校6年間の課程のうち、海外就学期間が1年以上のもの
試験科目
国語/50分、算数/50分、面接(保護者1名同伴)
入学後のコース
ICコース
特徴
日本人学校で朱学されている方向けの入試方式です。教科型の試験になります。
IP方式
資格
日本における小学校6年間の課程のうち、海外就学期間が1年以上のもの
試験科目
小論文/55分、算数/25分、面接(保護者1名同伴) ※すべて英語で実施
入学後のコース
IPコース
特徴
小論文は文章読解と小論文に分かれ、小論文は2題出題(各150words以上)。この他に過去3年間の成績及び英語力証明書も要素に含まれ得点化されます。
高校の入試について
高校受験ではA・B・IB方式という受験方法があります。希望コースや修学歴によって方式を選択します。
A方式
資格:①②③のいずれかを満たす者
①日本の義務教育期間課程のうち、海外現地校(日本人学校を除く)またはインターナショナルスクールにおいて5年以上履修したもの
②日本における中学1年生から3年生の3年間に相当する課程のうち、海外現地校(日本人学校を除く)またはインターナショナルスクールにおいて1年6カ月以上履修したもの
③日本の義務教育期間課程に重なる期間における海外現地校(日本人学校を除く)またはインターナショナルスクールの就学期間が連続しており、その期間が帰国後の長さを超える場合。
試験科目
小論文(日本語または英語)/115分、面接(保護者1名同伴)
入学後のコース
IGコース、IMコース
特徴
小論文の出題は日本語と英語で行い、解答は出願時に選択したいずれかの言語で行います。文章読解と小論文のパートがあります。小論文は日本語の場合1000-1200文字、英語の場合は500-700wordsです。面接は日本語で行います。この他に過去3年間の成績も要素に含まれ得点化されます。
B方式
資格
日本の義務教育期間課程のうち、海外就学期間が1年半以上のもの
試験科目
国語/50分、数学/50分、英語/50分、面接(保護者1名同伴)
入学後のコース
IGコース、IMコース
特徴
教科型の試験になります。面接は日本語で行います。
IB方式
資格
日本の義務教育期間課程のうち、海外就学期間が1年半以上のもの
試験科目
小論文/70分、算数/45分、面接(保護者1名同伴) ※すべて英語で実施
入学後のコース
IBコース
特徴
小論文の語数は550-880words。この他に過去3年間の成績及び英語力証明書も要素に含まれ得点化されます。
※A・IP・IB方式はサンプル問題がHPに掲載されています。B方式は一般受験の過去問に類似しているので試してみることをおすすめします。
編入学試験は、中高とも6月、11月、1月(中学のみ)、2月(高校のみ)で定期的に実施しています。高校3年生の募集はありません。コースによって、募集学年等が異なりますので、詳しくは本校のウェブサイトをご確認ください。