海外の現地校やインターナショナルスクールに通い始めたお子様や、日本に帰国して受験を控えているお子様を持つ保護者様の中で、英語学習に関するお悩みを抱えている方は少なくありません。

特に、耳から入る英語は何となく理解できているけれど文字になると読めない、という声をよく耳にします。そのような課題を解決し、英語の土台をしっかりと築くために効果的なアプローチとして注目されているのが、フォニックスという学習法です。

本記事では、フォニックスの基礎知識から、帰国生がこれを学ぶ具体的な意味、メリット、実際の学習ステップを分かりやすく解説していきます。

ジョイス先生
学習相談員

講師:ジョイス リアム

TCK Workshopトッププロ講師のジョイス リアムです。
小5から3年半のニュージーランド滞在で培った生きた英語を、帰国後の学習で資格に通用する論理的な英語へと昇華させてきた経験があります。
入社後は中学・高校受験対策をメインに、英検やTOEFL、SATのスコアアップにおいて多くの生徒を合格へと導いてきました。
私自身が実践した感覚をルールで締め直す指導で、なんとなく解いている英語を確実な武器に変えますので、英語全般にお悩みの方はぜひご相談ください。

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    1. フォニックスとは?その基礎知識

    ジョイス先生

    フォニックスは、英語圏の子どもたちが最初に学ぶ、いわば英語の読み書きの取扱説明書のようなものです。丸暗記に頼らない英語力を身につけるために、まずはその仕組みを正しく知ることから始めてみてくださいね。

    1.1 フォニックスの定義

    フォニックス(Phonics)とは、英語の綴り(スペル)と音(発音)の間にある規則性を学ぶ学習法を指します。アルファベットの文字が、単語の中でどのような音として発音されるのか、そのルールを理解することで、初めて見た単語でも正しく発音し、耳で聞いた言葉を正確に書き起こす力を養うことができます。

    アメリカの国立リーディングパネル(National Reading Panel)の研究報告などでも、フォニックスを体系的に学ぶことは、子どもたちの読解力や綴りの正確性を高める上で非常に大きな効果があると結論づけられており、英語圏の小学校などでも国語の授業の初期段階として広く取り入れられています。

    1.2 フォニックスと他の学習法との違い

    日本の従来の英語教育では、単語の綴りと意味をそのまま結びつけて暗記する手法が一般的でした。例えば、fishという単語を「f・i・s・hはサカナ」というように、形と意味を丸ごと覚えていく形です。

    これに対してフォニックスでは、f、i、shというそれぞれの文字や組み合わせが持つ独自の音を個別に学び、それらを滑らかに繋ぎ合わせることで一つの単語の音を組み立てていくアプローチをとります。文字と意味の繋がりよりも、まずは文字と音の繋がりを強固にすることに主眼を置いている点が、従来の暗記中心の学習法との決定的な違いと言えます。

    従来の単語暗記とフォニックス学習の違いを以下にまとめました。

    項目従来の単語暗記学習フォニックス学習
    学習の主眼文字の並びと日本語の意味を直接結びつける文字(綴り)と音が持つ独自のルールを結びつける
    未知の単語への対応過去に暗記していない単語は読むことも発音することも難しい初めて見る単語であっても、ルールに沿って音を推測して読める
    身につくスキル語彙のインプット、日本語訳の作成能力正確な発音、リスニング力、初見での読解力
    対象となるプロセス視覚的な記憶力に頼る部分が大きい聴覚と視覚の連動による論理的な理解を促す

    2. フォニックスを学ぶメリット

    ジョイス先生

    帰国生のお子様の中には、耳からの英語に慣れているものの、文字のルールを感覚で処理しているケースが多く見られます。フォニックスでルールを言語化してあげることで、英語の4技能すべてがバランスよく底上げされていきますよ。

    2.1 英語の音に対して正しい理解を持つ

    フォニックスのルールを学ぶことで、アルファベットが持つ本来の音の感覚が論理的に整理されます。例えば、shという綴りは息を強く吐き出しながら発音するといった具体的なルールを知ることで、英語の音に対する解像度が格段に上がります。これにより、なんとなく聞き流していた音が明确な意味を持つ文字として脳内に定着しやすくなります。

    2.2 英単語の発音が向上する

    綴りを見ただけで正確な発音の仕方が分かるようになるため、発話におけるミスが自然と減っていきます。イギリス教育省の公式ガイドラインなどでも、早期のフォニックス指導が読解力や発音の明瞭さに寄与することが示されている通り、ネイティブスピーカーにとっても伝わりやすい綺麗な発音を身につける強力な助けとなります。自分の発音に自信が持てるようになることは、学校での積極的な発言やスピーキング力の向上にも繋がっていきます。

    3.3 リスニング力が向上する

    自分で正しく発音できる音は、耳でも正確に聞き取ることができるようになります。多くの英語学習者は、ネイティブの速い音声を聞いた際、脳内で自分が思い込んでいる音へと勝手に変換してしまう現象が起きがちです。フォニックスを学んでおくことで、耳から入ってきた音を正確に文字へと変換し、そのまま意味を理解するプロセスがスムーズになるため、リスニングの精度が飛躍的に高まります。

    3. フォニックス学習法の基本

    3.1 フォニックスの基本ルール

    フォニックスには、学習をスムーズに進めるための代表的なルールがいくつか存在します。これらを体系的に整理して学ぶことで、英語の読み書きの土台が作られていきます。

    例えば、主なルールとしてこのようなものがあります。

    ルールの分類具体的な内容と特徴
    短母音(Short Vowels)a(ア)、e(エ)、i(イ)、o(オ)、u(ア)など、アルファベットの基本的な母音の音です。
    長母音(Long Vowels)a(エイ)、e(イー)、i(アイ)、o(オウ)、u(ユー)など、アルファベットの名前そのものの音を指します。
    ダイグラフ(Digraphs)sh(シュ)、ch(チュ)、th(ス/ズ)のように、2つの文字が組み合わさって1つの新しい音を作るルールです。
    サイレントe(マジックe)単語の最後にeが来ると、そのe自体は発音せず、前にある母音を長母音(アルファベット読み)に変えるルールです(例:capがcapeになる)。

    3.2 フォニックス学習の基本ステップ

    フォニックスを身につける際は、段階を踏んで無理なく習得していくステップが大切になります。

    まず最初のステップでは、アルファベット26文字それぞれの単音を覚えていきます。音声付きの教材やフラッシュカードを活用し、目と耳を同時に使って音を一致させていくのが良いかもしれません。

    次のステップとして、「子音(Consonant)+ 母音(Vowel)+ 子音(Consonant)」が並ぶCVC単語の読みの練習に移ります。例えば、catという単語であれば、c(ク)、a(ア)、t(トゥ)というそれぞれの音を分解して発音し、最終的にそれらを滑らかに繋げてcatと読めるように訓練を繰り返します。

    その後、サイレントeの規則や、2文字で1つの音を作るダイグラフの練習へと進み、徐々に長い単語が読めるように視野を広げていきます。最終的には、フォニックスのルールに当てはまらない、日常会話で頻出するサイトワード(Sight Words)を例外として覚えていくことで、読解のスピードを上げていくことができます。

    【関連記事】多読による英語力の向上についてはこちらもご覧ください。

    4. フォニックスを学ぶ際の注意点

    ジョイス先生

    フォニックスは英語力を伸ばすための非常に強力な道具ですが、万能の特効薬というわけではありません。他のアプローチとうまく組み合わせることで、初めてその真価を発揮させることができます。

    4.1 単語の意味まで分からない

    フォニックスはあくまで文字を正しい音に変換するためのルールであるため、単語を読めるようになったからといって、その意味まで同時に理解できるわけではありません。文字をスムーズに読めるようになった後は、その単語がどのような意味を持っているのかを辞書や文脈から補っていく学習を並行して行うことが大切になります。

    4.2 例外や不規則な単語が存在する

    英語に存在するすべての単語がフォニックスのルール通りに読めるわけではなく、全体の2割から3割程度はルールに当てはまらない例外的な単語であると言われています。例えば、oneやsaid、doesなどはフォニックスの規則だけでは正しく読むことができません。これらは出会うたびに個別に暗記していく必要があることを、あらかじめ認識しておくと戸惑わずに済むかもしれません。

    4.3 発音だけに偏らないバランスのある学習を

    フォニックスのルールを覚えることに集中しすぎるあまり、文章全体のストーリーを読み解くリーディングや、自分の意見を伝えるスピーキングの練習がおろそかになってしまっては本末転倒です。フォニックスは英語を流暢に操るための基礎体力をつくる手段と捉え、読書を楽しんだり、実際の英会話の中で使ってみたりする総合的なアプローチを意識していくことが求められます。

    6. まとめ

    英語の音と綴りのルールを学ぶフォニックスについて、その必要性や実践のポイントを振り返ってみましょう。

    ・フォニックスは文字と音の規則性を学ぶもので、英語圏の子どもたちの教育でも基本とされているアプローチです。

    ・文字を丸暗記するのではなく、音の組み合わせで理解するため、初めて見る単語でも推測して読めるようになります。

    ・正確な発音が身につくことで、ネイティブに伝わりやすい英語が話せるようになり、同時にリスニング力も高まります。

    ・すべての単語がルール通りではないため、例外となるサイトワードの習得や、単語の意味のインプットも並行していくことが大切です。

    ・オンライン個別指導や専門的な講座を上手に活用することで、海外生活でのキャッチアップや帰国生受験の対策をより確実なものにしていけます。

    お子様が英語に対する苦手意識をなくし、自信を持って日々の学びに臨めるよう、まずは基礎となる音のルールから楽しく学び始めてみるのはいかがでしょうか。

    TCK Workshopの無料学習相談では、お子様の現在の英語力や滞在国の環境に合わせた最適な学習プランを個別にご提案しています。現地校の宿題についていけない、英検対策の前に基礎を固めたいなど、海外子女・帰国生ならではの教育のお悩みをプロの学習アドバイザーが丁寧に伺い、解決へ導くお手伝いをいたします。

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