慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)で、2028年4月入学から高等専門学校(高専)卒業者を対象とした「第3学年編入学試験」が新設されます。
これまで高専から慶應SFCを目指す場合、基本的には1年次からの入学を考える必要がありました。今回の制度によって、高専で5年間学んだ専門知識や技術を生かしながら、大学3年次からSFCで学ぶという新しい進路が生まれます。
高専から大学進学を考えているご家庭にとって、注目しておきたい制度です。

高専からの大学編入は、一般的な大学受験とは準備の方向性が異なります。早い段階から「高専で何を学び、それを大学でどう発展させたいのか」を整理しておくことが大切です。

TCK Workshop プレミアム講師。獨協高等学校を経て、早稲田大学国際教養学部(SILS)卒業。 オーストリア・ドイツへの留学経験を持つ国際派でありながら、中学・高校入試の全科目(英・国・数・社・理)を指導できる稀有な「オールラウンダー」。 SILSで培った広い教養と論理的思考力を活かし、SAT対策や大学入試の小論文・志望理由書指導において、合格を引き寄せる「書く力・考える力」を徹底的に鍛え上げる。
慶應SFCの高専3年次編入は2028年度からスタート
今回の制度では、SFCにある「総合政策学部」と「環境情報学部」の2学部が対象となります。
初回の入学試験は2027年に実施され、2028年4月の入学となる予定です。募集人数は「若干名」で、総合政策学部・環境情報学部のどちらか一方のみ出願できます。
| 項目 | 内容 |
| 対象学部 | 総合政策学部・環境情報学部 |
| 編入年次 | 第3学年 |
| 入学時期 | 2028年4月 |
| 初回入試 | 2027年実施 |
| 募集人数 | 若干名 |
| 出願資格 | 2028年3月31日までに高専を卒業、または卒業見込み |
| 第1次選考 | 書類審査 |
| 第2次選考 | 面接 |
| 出願時期 | 2027年6月上旬予定 |
| 第2次選考 | 2027年7月中旬予定 |
| 募集要項 | 2027年1月下旬公開予定 |
出願資格を満たすだけでなく、「なぜSFCで学びたいのか」「入学後に何を実現したいのか」といった明確な目的も求められます。詳細な募集要項は2027年1月下旬に公開される予定です。
そのため、正式な募集要項が公開されるまでは、今後変更される可能性のある細かな条件について断定しないことが重要です。

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高専から慶應SFCへ編入するメリットとは?
高専の専門性をSFCでさらに広げられる
高専では、中学校卒業後から5年間にわたって専門分野を学びます。工学・情報・技術などの分野で、実験や実習を含めた実践的な学習ができることが特徴です。
一方、SFCは専門分野だけに閉じず、社会課題をテーマに分野横断的に学ぶことを重視しています。
つまり、高専で身につけた「技術」を、SFCで「社会の課題を解決するためにどう使うか」という視点から発展させられる可能性があります。慶應SFCも、今回の制度について、高専生が持つ実践的な知識・技術とSFCの分野横断型の学びを組み合わせることを背景として説明しています。
例えば、プログラミングやロボット開発を高専で学んだ生徒が、SFCで地域社会、医療、教育、ビジネスなどの課題と結びつけて研究する、といった学び方も考えられます。
「3年次編入」だからこそ専門性を途切れさせにくい
高専で5年間積み上げてきた専門教育を経て、大学1年生から学び直すのではなく、3年次から大学の学びにつなげられる点も大きな特徴です。
ただし、「3年次に入れる=必ず2年間で卒業できる」とは限りません。
SFCでは、編入生について最大80単位まで既修得単位を認定できますが、卒業には124単位が必要です。そのため、認定される単位数などによっては、2年間で卒業できない場合があります。
ここは進路を考えるうえで見落としやすいポイントです。

高専から慶應SFCを目指すなら、今から準備したいこと
今回の選考は、第1次選考が書類審査、第2次選考が面接です。一般的な大学入試のように、教科試験の点数だけで勝負する形式ではありません。
そのため、準備では「自分の専門性を言語化すること」が重要になります。
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1.高専で何を学んできたのか整理する
まずは、授業、研究、実験、コンテスト、課外活動などを振り返りましょう。
単に「プログラミングを勉強した」「ロボットを作った」と書くのではなく、
- どのような課題に取り組んだのか
- なぜそのテーマを選んだのか
- どのような工夫をしたのか
- 何がうまくいかなかったのか
- そこから何を学んだのか
まで説明できると、自分自身の専門性が整理しやすくなります。
2.「なぜSFCなのか」を考える
高専から大学へ編入する選択肢は、慶應SFCだけではありません。
だからこそ、「大学に進学したい」だけではなく、「なぜSFCでなければならないのか」を考える必要があります。
SFCで取り組みたい研究、学びたい分野、将来実現したいことなどを、高専での経験と結びつけておくと、志望理由にも一貫性が生まれます。
3.面接で自分の考えを説明する練習をする
今回の2次選考は面接です。
面接では、準備した文章を暗記するだけではなく、「なぜそう考えたのか」「具体的には何をしたのか」と掘り下げられたときに、自分の言葉で説明できることが重要です。
特に高専での研究やプロジェクトについては、専門外の人にも分かるように説明する練習をしておくと安心です。

慶應SFCの高専編入対策で意識したいこと
今回の制度は2027年に初めて入試が実施されるため、過去問が存在しない点にも注意が必要です。
だからこそ、現時点では「過去問を解く」というよりも、SFCが求める人物像と自分の経験を照らし合わせながら、書類・面接で伝える内容を作っていくことが重要になります。
特に、
「高専で何を身につけたか」
↓
「その専門性を社会のどんな課題に生かしたいか」
↓
「なぜSFCで学ぶ必要があるのか」
↓
「SFCで何を実現したいか」
という流れを、自分の言葉で説明できる状態を目指しておくとよいでしょう。

新設入試では過去問がないからこそ、早期の情報収集と自己分析が大きな意味を持ちます。募集要項が公開される前から、自分の経験を整理しておくと、正式な試験内容が分かった後にも対応しやすくなります。
まとめ
慶應SFCでは、2028年4月入学から高専卒業者を対象とした第3学年編入学試験が始まります。
対象は総合政策学部と環境情報学部で、初回入試は2027年。第1次選考は書類審査、第2次選考は面接が予定されています。
高専で培った専門性を、SFCの分野横断型の学びと組み合わせられることは、この制度の大きな魅力です。
一方で、編入後の卒業時期は認定単位数によって変わる可能性があるため、制度のメリットだけでなく、卒業までの学習計画まで確認しておく必要があります。
高専から慶應SFCへの進学を検討している場合は、まず高専での経験を整理し、「SFCで何を学び、将来何を実現したいのか」を考えるところから始めてみてはいかがでしょうか。
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