帰国子女受験での高校受験を検討している受験生、そして保護者の皆様。現在すでに勉強中の方にも、これから準備をスタートしようという方にも、数学を学習する上で知っておいて欲しいこと、意識した方が良いことを、学年・単元別に整理していきますのでぜひ参考になれば幸いです。
比例と反比例:それぞれの具体例が挙げられますか?
比例・反比例の概念そのものは小学生の範囲でも習うものですが、小学生の教科書では簡単な計算程度しか扱わないこともあり、その数学的な意味をきちんと理解されていない生徒様が多いです。
比例はまだしも、特に反比例。
小学生レベルでは「xが2倍になった時に、yは÷2をすれば良い!」くらいの理解で問題ないのですが、中学生以降は比例や反比例を式や図形として表すことが要求されるようになりますので、その程度の理解だと苦労します。
特に比例のグラフについては、次学年以降で学習する一次関数とも大きく関係するので、1年生の間にグラフをしっかりと作図できるようになること、グラフの傾きに対する正確な理解を持つことを意識して学習してもらえればと思います。
比例・反比例に共通して確実にできるようになっておいてほしいのは以下の3点です。
- 比例・反比例の意味を理解し、その具体例を自分で見つけられるようになること
- 比例・反比例の式の形を背景から理解し、自分自身で求められるようになること
- 比例・反比例のグラフを正確に作図し、グラフの特徴を押さえておくこと。
これらの点をしっかりと理解しておいてもらえれば1年生範囲ではOKです。
高校3年生まで使う座標平面の基礎づくりを!
中学・高校数学では至る分野で登場する座標平面の基礎も中学1年生から始まります。
とはいっても、中学1年生の間は、座標の取り方、点の平行移動や対称移動、中点の求め方、三角形の面積の求め方など、考え方自体は難しくない単元ばかりです。
ただ座標平面に関しては数学を勉強する限り、ずっとお付き合いの必要な非常に便利なツールですので、しっかりと中学1年生の平易な学習範囲で慣れ親しんでおくことが重要です。
特に平行移動や対称移動などは、問題単体で考えると難易度も高くはありませんが、今後様々な場面でその考え方を利用して問題を解くケースに出会うでしょうし、中点の求め方は最頻出の公式の一つ、三角形の面積も(後々にもっと便利な公式には出会うでしょうが)座標軸に平行な線で囲んで四角形を作る、という解き方は非常に大切なものです。
中学1年生範囲の単元はどれ一つをとっても、一つ一つ単体で見れば難易度はまだまだ高くはありませんが、学年が上がるにつれてこれらの基本事項を組み合わせて問題を処理していく必要性がどんどん高まってきます。
その際に基本でもたついてしまうと、しっかりと思考力を注ぐべきところに注力できなくなってしまうので、これまでの単元はまずはその背景と意味をしっかりと理解し、そのあとは反復練習を繰り返し、機械的に処理できるレベルまで練習を積み重ねておきましょう。
中学受験算数はある種のひらめきが必要になる部分も散見されますが、中学生以降の数学は99%が努力で解決できます。計算力を伸ばし、基礎を理解し、反復練習する、この繰り返しで確実に数学は得意科目にすることができますので、算数に苦手意識があっても、決して諦めず、また新しい科目を勉強し始めるつもりで心機一転数学の学習を進めていきましょう。