はじめに
2022年8月に開校予定のハロウインターナショナルスクール安比ジャパンの「オンライン学校説明会」を3月5日(土) に開催しました。
ハロウスクールは創立450年を迎える歴史と伝統のある英国の名門校です。11〜18歳を対象にアジア各国をはじめとする全世界からの学生が集まり、大自然の広がる岩手県安比高原にて全寮制(ボーディング)の環境で世界レベルの英国式教育を学びます。
TCK主催のオンライン学校説明会では、およそ90名弱ほどのご家族にご参加いただき、多くの方に日本に新設される英名門ボーディングスクールへの関心と期待をお寄せいただきました。
広報のジェーンさんからハロウ安比校の特徴をご説明いただき、校長ミック・ファーリー氏は質疑応答へとても丁寧にお答えくださいました。
今回は、ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン(以下ハロウ安比校)のオンライン学校説明会ハイライトをお伝えいたします。
ミック・ファーリー(Michael Farley)氏
ハロウ安比校プロジェクト総責任者/初代校長
英国出身。2003〜09年、ブリティッシュ・スクール・イン・トウキョウで校長を務めた後、2012〜19年、ハロウバンコク校で校長を務める。AISLハロウグループ・オペレーション・ディレクターとして、2020年には中国に数校のハロウスクール開校を主導。ハロウ安比校の初代校長に就任。
ミック校長ご挨拶
「オンライン学校見学会にご参加ありがとうございます。ハロウ安比校は本年8月の開校まであと少しとなり、学校スタッフが完成した設備に入りまさに準備を始めています。先生の採用も決まり、続々と素晴らしい生徒さんの入学も決まってきて、とてもワクワクしています。」
ミック・ファーリー校長先生は、日本のインターナショナルスクールでのご経験もあり、またハロウインターナショナルスクールのアジアでの開校を進めてこられた人物です。ハロウ安比校も彼が手がけたプロジェクトであり、熱意のある最適任の方が初代校長に就任し、学校スタッフも嬉しく思われているそうです。
学校紹介
ハロウスクールは、英国の伝統のある男子校です。
世界に影響を与えるような功績を残してきたハロヴィアン(ハロウ卒業生の呼称)が多く居ます。1988年からハロウインターナショナルスクールは共学の学校として、バンコクから始まっています。
卒業生の多くは、イギリス・アメリカのトップスクールへの合格実績があります。アジアの学生は自国の大学を含め、自分の進みたい道に進める学力と人間力を備えた人物を輩出しています。
全てのハロウ校が同じモットーを元に教育を進めています。
「Educational Excellence for Life and Leadership」
素晴らしい卓越した教育を一人一人の人生の成功のために、世界に出ていくリーダーとしての人間教育をしています。「勇気・名誉・友情・謙虚」の価値観を育てます。
2022年8月の開校時は、Year7〜10(小6〜中3)の4学年、合計200名の生徒さんでスタートすることを計画しています。将来的にはY7〜13まで合計920名規模のスクールになります。
体系化されたハロウの全人教育モデル
核となるのがコア・カリキュラム(平常授業)です。そこで学んだ知識・スキルを活用できるように、スーパーカリキュラムで自分が得意な力を身につける体験をします。
これらと繋がるのがコ・カリキュラ(課外授業と活動)です。本科の勉学の外でする活動というExtraではなく、Coとして授業と並列に大切に扱っています。
また全寮制のハウスシステムーパストラルケアは、生徒一人ひとりを見つめて個別化されたケアを提供します。
カリキュラム
英国式カリキュラムを採用しています。
- Year7〜8(プレップスクール)では幅広い学びと、英語力アップ、経験を通して成長していきます。
- Year9〜(シニアスクール)ではIGCSEに向けた個別の興味や関心、得意に合わせた学習を。
- Year10〜11(IGCSE)では9〜11科目から自身で選択した科目を学びます。(必須科目6+選択科目3〜5)
- Year12〜13(シックスフォーム)Aレベルでは3〜4科目の科目に絞り学びを深めます。専門性を高めたい科目を選んで、高校生のうちから深く学べるのが特徴です。
スーパーカリキュラム&コ・カリキュラ
必須科目だけでは学びきれないこと、教科書では学べないことを授業の外でより深く学んでいきます。学力を伸ばし、幅広い分野から好きなものを選択し、多くの経験を重ねることで、ハロウ安比校で過ごす全ての時間が学びとなります。
1日の時間割の中で朝1〜2時間、2時以降〜夕飯まで、夕飯後20時以降もスーパーカリキュラム&コ・カリキュラの時間が十分に確保されてます。
平日だけでなく、週末も季節に合わせて様々な野外スポーツに取り組むことができます。(春夏:グリーンシーズン、秋冬:ホワイトシーズン)。スキー、マウンテンバイク、ゴルフ、テニス、水泳など、大会向けた特別トレーニングやコーチも。日本の大会だけでなく、アジアや世界大会、将来はオリンピックも目指せる選手が生まれてくることを期待しています。
一日をフルに活用して、学校が提供してくれる機会を学び楽しみ尽くすことができるのは、全寮制の学校だからこその魅力ですね!体験できるアクティビティの多さに驚きです。
ハロウのリーダーシップ
学力と同じくらい課外活動の充実さ、それから何を学んだかが大切です。貢献力、共感力、協働力、創造力、決意力、判断力の6つをキーに経験がアンバランスにならないよう総合的に経験を積んでいきます。
パストラルケア(個別化されたケア)
子ども一人に対し、さまざまな大人がケアしてくれる環境があります。アカデミック、ハウススタッフ、カレッジカンセラー、サポーティングスタッフと場面に応じてそれぞれのスタッフが連携しサポートします。
子どもの各場面での活躍や様子は全て寮長が把握し、個別に支援してくれます。寮長がハロウ安比校の保護者窓口となり、常に連携していきます。
経験豊富な講師陣
開校に向けて41名のアカデミックの先生が集まりました。平均教師歴14年と経験豊富な先生が揃っています。78%はイギリス国籍で、日本語と中国語のネイティブ先生以外は、皆英語を母語とする先生たちです。彼らの47%は修士・博士号を取得しており、専門性が高く学び続ける意欲の高い先生であることがわかります。
開校時は、学生3:スタッフ1の割合になります。学生は、女子ハウス2つ、男子ハウス2つの4つに分かれます。ハウスごとに2〜3人のスタッフがサポートします。(ハウスとは学生が所属する縦割りグループです。同じハウスの学生は寮生活や学校イベントなどハウスメイト同士協力して過ごします。)
ひと学年40〜50名ほど、日本の学校のようなホームルームは無く、科目の授業はひとクラス16〜18名で構成されます。高学年になればより少人数授業となります。
バーチャル施設紹介
アートやSTEM教育の技術に特化した教室、その他の各科目やアクティビティで使われる充実した設備を整えています。シアター、体育館、音楽練習室、カフェテリア、サイエンス塔、テニスコート、サッカーコート、1万冊蔵書の図書館など。寮は現在工事中。夏頃公開予定です。
受験、募集について
ハウススタープログラムでは、国内外国籍関係なく全ての学生が同じ出願方法です。世界中のどこにいてもオンラインで完了できるプロセスになっています。
- アプリケーション提出
- 好きな時に受験(オンライン試験:科目別の受験はなく認知能力・非認知能力を見る。英語ライティング:英語力を見る。)
- 校長との英語でオンライン面談
質疑応答セッション
オンライン学校説明会参加者の方からいただいた質問へ、ミック・ファーリー校長先生が直接お答えくださいました。
なぜ岩手県安比高原を選んで開校したのですか?
全寮制なので、どこからでも生徒を歓迎することができます。どの土地でも通学の心配がないので全国に可能性があったのですが、まずハロウの全てのプログラムを提供するためには広大なスペースが必要であること。二つ目にハロウにとっては、アウトドアアクティビティーが大切であり豊かな自然が必要であること。これらの点を含め、安比の地域と岩手県がとても協力的に歓迎してくれたため、安比での開校となりました。新幹線盛岡駅もあり、アクセスも良いことも要因の一つです。
英国のハロウ本校との関係性は?生徒の交流は?本校への転校の可能性は?
英国本校とはとても強いコネクションがあります。イギリスと同じかそれ以上の質で学校運営するよう目を配られています。ハロウ安比校在学中に2回ほど交流訪問の機会があります。交換留学もあり、ミック校長としてはアジアのハロウ校から6人の生徒を本校へ転校した実績もあります。本校が男子校であるため、この機会は男子生徒にのみ限られることはご了承ください。転校の可能性はYear9またはYear12の開始時期にのみあり、本校のアドミッションプロセスに合わせて出願する事になります。
日本では認知度が低いですが、なぜAレベルを提供するのですか?
確かに日本ではまだ知られていないかもしれませんが、Aレベルのカリキュラムは歴史が長く、世界的にはAレベルを採用している学校は非常に多いです。
ハロウ本校がGCSEとAレベルを採用しているので、ハロウ安比校でもこれらを提供することは自然です。何よりAレベルはIB(国際バカロレア)と同じくらい知識を探究し、自分の強みをどんどん強めていって専門性に高校生からアクセスできる素晴らしいプログラムです。
世界のトップ大学はより専門性の高い学生を採用したがっています。高校生のうちからAレベルを学習していることで、例えばアメリカのワシントン大学などでは大学一年生の単位がAレベルを持って認められたり、大学ではさらにもう一つの専攻分野を学びダブルメジャーを学ぶ可能性もあります。
トップ大学は、Aレベルは3つの科目に絞って出願するように推奨するなど、よりアカデミックに専門性が高い学びが評価されています。
ハロウ安比でも3科目の履修をおすすめしています。数学を専攻する場合は4科目となるケースもあります
ハロウ安比校の選考基準について、どの程度の英語力が求められますか?Year10のIGCSE学年からの編入の場合に求められる英語力は?
Y7〜9の学年の子は、入学してからしっかり学ぶ時間があります。ハロウ安比校の環境にフィットして楽しめる学生かどうかを見ています。全ての先生はノンネイティブの生徒に教える研修をしているので安心ください。コミュニティに入っていける程度の英語力があると良いでしょう。
Year10からの入学する学は、IGCSEが始まる学年なのでシラバスの学習にスムーズに入っていけるレベルの英語力が必要です。
ミック校長との面接は何を見ていますか?
是非リラックスして面接に来てください。主に3つのポイントを見ています。
- 英語コミュニケーションのレベル
- 学力のレベル、意見、態度、意欲
- ハロウにフィットするかどうか、彼らが学校に何をもたらしてくれるか。
学生本人がハロウ安比校をよく知って、どんなことをしたいのか?学びたいか?コミュニティーに貢献できることがあるか?など、得意なことやオリジナル部分を見せていただきます。
学生の国籍比率は?
アジア・諸外国50%、日本50%が理想です。日本人の中でも、公立校/インター校出身、帰国子女、ミックスの方など様々な学生が集まってきています。海外からは、シンガポール、マレーシア、台湾、中国、香港などをはじめ、アジア圏に駐在されているご家族の御子息など、欧米・EU圏・オセアニア出身の学生もいます。
学年を落としての入学は可能ですか?卒業への年齢制限はありますか?
学年を落としての入学は可能です。しかしとても注意深く判断します。お子さん本人と保護者の方とよくお話しして検討して、本人にとって良い決断だと判断できればすることもあります。例えば1学年落としてスタートした場合、19歳での卒業になりますが途中で飛び級などはせずに卒業までを過ごします。
Year10以上の高校生に関われるプログラムはありますか?
春夏冬に開催するハロウ安比校のキャンプがいい機会でしょう。スポーツ、STEM、音楽などプログラムを提供するので是非参加ください。寮生活をする事になるので、大学進学に向けてもとてもいい課外活動の経験になります。
怪我や病気、健康診断の対応は?ADHDやディスレクシアの学生への対応は?
ー寮の中に24時間クリニックを設置しています。キャンパス内に保健室もありそこでの対応が可能です。盛岡の近隣病院とも連携しています。実際に学校スタッフが既に連携を確認しています。
ー入試アドミッションでも全寮制で一緒に生活して活躍できるかしっかり見ていきます。学校からのレポート、病院のレポート、保護者と話して合否を決めます。
ハロウ校ではADHDの生徒さんで大成功して卒業した生徒さんもいます。学校内に特化したスペシャルサポートの先生がいるわけではないが、パストラルケアとして都度個別に相談し対応していきます。薬の服用など、寮長とメディカルスタッフでしっかりサポートします。
さいごに
ハロウ安比校では毎週末、学校キャンパスでの見学会を開催しております。または今年8月以降でしたら、生徒たちがキャンパスで楽しんでいるところを是非見にいらしてください。
ぜひ、実際に現地を見学することをお勧めします!
ハロウ安比校に関するご質問やお問い合わせは、TCKへお気軽にご連絡ください。
TCKではハロウ安比校の受験サポートを行なっております!アドミッション関連のご相談や、面接対策など、個別にご対応いたします。